11
言いつつ綱吉は元の世界での自分の仲間を思い出していた。
まず、やる気が有りすぎて空回る嵐の守護者がいる。
天然な過ぎてなかなかマフィアが遊びじゃないことに気づかない雨がいる。
いつも極限に死ぬ気で生きる晴れの守護者がいる。
まだ幼い子供な雷の守護者がいる。
他人との馴れ合いを拒む戦闘狂な雲の守護者がいる。
綱吉を倒そうと目論む霧の守護者がいる。
理不尽な家庭教師もいるし、誰も彼もが一筋縄ではいかないメンバーだ。
人のことは言えなかった。
蜘蛛の団員になるには欠員がいる時に他の団員から推薦を貰うか、或いは既存の団員を殺して入れ替わるかというルールがある。
そして、ヒソカが蜘蛛に入ったのは後半のルールに準じてだと聞いている。
『お前が代わりに入ってくれるなら団員全員喜ぶが?』
「嫌だよ」
綱吉は以前蜘蛛に空きが出来た時に誘われたことがあったが断っている。
元の世界に帰るための手がかりである宝玉を手にいれるために様々な宝を強奪する蜘蛛に時に対抗し、時に利害が合えば手を貸してはいるが、彼らとは根本的なところでそりが合わない。
「じゃあ、大人しくハンター試験を受けるようにって命令は……」
『無理だな』
「はあぁぁ。なんていうか気が重いよ」
『まあせいぜい頑張るんだな』
労る気のない傲慢な言葉とともに通話が切れた。
そのふてぶてしさな思わずまたため息を着きたくなった代わりに背を壁に当てた。
[←] [→]
back