混合短編 | ナノ




5

パッと見たところ猫のような生き物だ。

おそらく金属か何かで造られただろうサンバイザーを着けている。

だが、何より目を引くのはその生き物が橙色の炎を纏っていることであり、凝をすると体全体が念を纏っていることが分かる。


「これ、君の念?」
「さあ。答える気はない」

まず、思いついたのは具現化した生物かということだ。

しかし、動いたり、鳴いたりするものを具現化するにはよほど多くのオーラが必要だ。

今この場でそれを具現することはただただオーラを消費するだけでメリットがないように思われる上に、放出系と相性の悪い具現化系はその具現したものが体から離れるとそのオーラが極端に減るというデメリットがあり、それはこの生物が纏うオーラ量と比べて不自然に思える。

何より少し話しただけでもツナヨシがそこまで非効率的なことをする人物とは考えづらい。

操作系でこの生き物を操っていると考えるには炎を纏う生き物だなんて余りに異様で、この世のものと思えない。

だとすれば、放出系と操作系の複合かとも考えたがそれにしては個としての我が強く、炎の説明がつかないように思えた。

そうなると特質系である可能性もある。

これがどういうものなのかという興味が尽きない。



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