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ヒソカは目の前の少年をうっとりと見つめる。
この店先で見つけた少年はとても興味深くてヒソカを楽しませてくれる。
たゆまぬ努力によって得られる練り上げられた纏。
それは一朝一夕で身に付けられるものではない洗練されたオーラを見せつけてくる。
ヒソカに怯む様子のないことも高評価の一因だ。
「ボクはヒソカ
君は?」
「ツナヨシ。出来ればよろしくしたくない」
素っ気なく名前だけを告げたツナヨシは躊躇いなくフォークとナイフを取り上げ出されたステーキを切り出した。
それを口にしようというところでジロッとヒソカを見てくる。
「食べづらい」
「んー、ごめんね
」
「ぜんっぜん誠意がこもってねー」
「いいじゃないか
」
「やだし」
非難の声も何のその、ヒソカはテーブルに肘を着いて顔を支える。
はぁと嫌嫌な態度でため息を着いたツナヨシはパクっとステーキを一切れ頬張った。
美味しそうだが、ヒソカは自分のものを見てわざとらしくため息を吐く。
視線の先を見たのかツナヨシはうわっと声を上げた。
「さっきの店員、は違うよな。何でんな嫌がらせされてんの?」
ヒソカの前に置かれたステーキには毒が盛られていた。
「気づいてたんだ
去年の試験管じゃないかな。半殺しにしちゃったからね」
「コエー。今年は大人しくしてほしいんだけど」
「やだ
」
「やだじゃない」
不毛な会話を幾つかしたあとにヒソカはいつの間にかテーブルの上で丸まっていた生き物に目を向けた。
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