2
「ちょっと気になることがあってね。ガンベロファミリーに潜入してきてもらったんだ」
「聞いてねーぞ」
「伝え忘れてたんだよ。ほら、こんなにやることあるしさ」
「そーか。で、なんでガンベロファミリーなんだ?悪い噂なんてねーぞ」
「あそこって最近三代目が就任しただろ。その時なんか嫌な予感がしたんだ」
「超直感か?」
「そ。それに詳しくは知らないけどそこの初代とチェデフが昔衝突したらしいし」
「チェデフとですか」
「うん。必要なら詳細を門外顧問に問い詰めるかなって」
言いながら読み進めながらどうするかと思考する。
これは自分から始めたこととはいえ厄介極まりなさそうだ。
「同盟か傘下のファミリーだったら忠告なりなんなり出来そうなんだけど……」
「やはり何か問題でもあるんですか?」
「何でも三代目が過激派らしくてね、二代目の時の穏健派と対立してるんだって」
「そんなのよくあることだぞ」
「ははっ。知ってるさ。そのくらい。問題は過激派の方なんだ」
内部での噂程度だから信憑性はあまりないらしいけど、と先に言っておく。
「一般人相手にも手を出してるとか、麻薬売買の準備を進めているとか、それからボンゴレの島に手を出そうとしているらしいよ」
「いい度胸をしてるな」
「あくまで裏付けのない情報だけど。ま、最もこれを掴んだのは骸だからね。アイツはそういうのに悟いから用心した方が、って…え…………?」
「どうかされましたか?」
「おいツナどーした?」
急に凍りついた綱吉に獄寺とリボーンは不思議に思う。
そして、待つ気がないのかリボーンは綱吉に向かって発泡する。
パンッ
「うっわ、アブねー」
「チッ、避けたか」
「避けるってそりゃ」
そして、もう一度書類見て綱吉は少しだけ泣きそうに眉を寄せる。
「何でだろ?何で?何でだよ!!なんで……」
「こんなところにリョーマ君の名前が出てくる…のかなぁ?」
そこにいるのはマフィアのボスではなく、誰かを想うただの少年だった。
(嫌な予感はこれだったのか)
[←] [→]
back