相反する立場 | ナノ




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《side Detectiveboys》


「で、アレは何だったんだ?」
「アレって何のことか分かんないんだもんね」
「ふざけんな!!」
「俺っちふざけてなんてないもんねー」
「ミーにも何が何だかさっぱりですー」


銀行強盗の籠城が終わり、歩美や光彦、元太と別れてからコナンはランボとフランに詰め寄っていた。

勿論、江戸川コナンが二人いた件についてだ。

だが二人とも話す気はないようでのらりくらりわざとらしいくらいに答えてくれない。


「おいおい、さっきからどーしたんじゃ新い……コナン君」
「そうよ。話がさっぱり分からないわ。さっきの事件で何かあったの?」
「あったさ。あったからこんなに。…けど」


博士と灰原が一方的に捲し立てるコナンを非難するかのような雰囲気を滲ませて何があったのかと聞いてくる。

だが、それにどう答えればいいのかすらコナンは分からない。

自分ですら先程の光景が信じられないのだから、話して信じてくれるか分からない。

コナン自身が見たのでなければ、絶対に信じないだろうような出来事だった。

錯覚だとかいろいろ理由をつけようとしたが合わない。

探偵としてその真実を掴みたいが、そのタネの片鱗すらわからなかったことが苛立ちの理由だと、今己がしているのは八つ当たりだとわかっていてもどうにもできない。

ただ、そのプライドに火をつけたのは確かだった。




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