相反する立場 | ナノ




13

《side Mafiaboys》


まあそりゃ驚くよなと心の中で呟いてランボはコナンの拘束を解く。

ついでにコナンがズボンに挟んでいた拳銃も念のために奪っておいた。

暴れたりしないようだから良かったがどういうことかとコナンがランボを睨んでくるのはいただけない。

フランの幻術でランボとコナンの姿を隠し、更にコナンの幻覚を作り出してそれを強盗犯が人質として利用しているだなんて、話したところで理解できないだろう。


「コイツの首へし折られたくなかったらカウンターに行って拳銃持ってこい!!」
「「「ええっ!?」」」
「うぐうう!」


強盗犯が騒ぐのを傍目に人質の中の一人を観察する。

幻術で他人に成り済ましているくらいだからやはり目、口や手の拘束も誤魔化しているのだろう。

だが、フランが今使っている幻術に気がついているのかどうかは謎だ。

たぶん、ランボ達同様に偶然巻き込まれただけだろうから、たとえフランのことに気付いたとしても何か反応する必要すらないだけかもしれない。


「こーなったら籠城作戦だあ」
「うぐっ」
「地獄の果てまで付き合って貰うぜ」


幻覚のコナンを締め付ける強盗犯が幻覚のコナンの持つ拳銃に気づく。

何ももそこまで再現しなくったって良かったのにとランボは肩を落とす。


「おおっと、もう持ってんじゃねーか」


パチッとランボの手のひらの中で電気が小さく爆ぜた。

「とりあえずお前は死ねー」


怒り任せに強盗犯は幻覚のコナンを撃とうとする。

その前にランボは強盗犯に駆け寄り雷を落とした。


「うぐああ!!」


コナンが殺されるっ!!と思っていただろう歩美達にはランボがスタンガンを使ったように見えただろう。

強盗犯が気を失い倒れるのに合わせてフランがコナンの幻覚をそうと歩美達に気づかれないように消した。

ホッと気を抜かずにランボは辺りを見渡す。

雷を落とす前に感じた殺気を辿って行くと、その雷の音を何と思ったのか立ちっぱなしだった人質達がパニックに陥るその中に、ランボは拳銃を持った男を見つけた。

すぐにその拳銃は消え、その一瞬に見えた男の素顔はまた頬に火傷跡の残る男に変わったことから、警戒していた幻術士なのだと知る。

たぶん、幻術と気づかず捕まっていたのが本物のコナンだと勘違いし助けようとしたのだとランボは思った。

一瞬見えた顔はボンゴレのメンバーの一人で間違いなかった。


(後であの男が何のためにここにいたのか調べておくか。とにかく、一件落着だもんね)


その後突入してきた警察によって、強盗犯達は逮捕された。




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