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《side Detectiveboys》
そろそろいつもコナンと灰原が別れる場所だと光彦は思った。
今日少年探偵団に加わったんだと思う少年、フランは丁度歩美の隣を歩いていて少しだけ違和感がある。
更にいつもは自分と歩美と元太の後ろでコナンと灰原が二人っきりになっているのに、そこにランボが加わっているのがちょっとだけ不思議だ。
コナンも灰原も頭が良くて、自分達より大人っぽい。
よく二人だけの、決して恋人の雰囲気だとかそんなのではないがなんだか入り込めない感じになっているのに、付き合いがそこそこ長い自分達ですら決して入れないそこにランボはいとも簡単に入れてしまった。
そんな気がして、羨ましくてずるいと思ってしまう。
その気持ちを引きずったまま光彦は後ろを振り向く。
「そう言えば、ランボ君もフラン君もどこに住んでるんですか?」
尋ねれば、いやその前に入り込めない雰囲気はやっぱり解けていて何故だろうと疑問に思う。
けれどそれよりも口に出した質問の方が気になっていて、返事を待つ。
「分かんないですー」
「ええー!それじゃあどうやって帰るんですか!?」
返ってきたのはマフィアと言われた時よりもある意味信じがたいもので、ならランボはどうだろうかと思えば俺っちも分かんないと答えられた。
(どうやって帰るつもりなんでしょう?)
なんと驚きなことにランボとフランは阿笠博士の家に居候するそうだ。
知り合いの知り合いの関係だと言っていた。
灰原も知らなかったようで彼女も凄く驚いていた。
今日は光彦が銀行にお金を預けにいくのがみんなで行くことになっているから、いったん家に帰ってから阿笠博士の家に集合の予定である。
コナンと灰原と別れる場所でランボとフランとも別れたから今は光彦と歩美と元太の三人だけ。
「にしてもさー、マフィアってホントかぁ?」
「さあどうなんでしょうか?」
「でも、嘘をついてる気はしないよね」
やっぱり話題にあがるのはこのことだ。
マフィアと聞いて真っ先に思い浮かぶのは、殺しとか麻薬とか、つまり悪い人間だということ。
けれど、住民を守るためにマフィアがいるんだとランボは言っていた。
外国のことだからよくは分からないのだけれど、そう言うのならばそうなのだろうと光彦は納得するしかない。
(悪いことしてるわけじゃないんなら、いいですよね)
「それにさ、私たちの護衛って言ってたよね!」
「何で僕らを護衛するのか分からないですけど、それくらい注目されてるってことですよ」
「うおっ、マジでか」
「ええ。そうです」
「だよねだよね!よっし少年探偵団これからも頑張るぞ!!」
「「「おー!!」」」
結局のところ、光彦も歩美も元太も新しい仲間が増えたのが嬉しかったのだ。
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