相反する立場 | ナノ




13

《side Detective》


「何っ、それは本当かっ!?」

「なんで嘘をつかなきゃならないのよ」

「ベルモットになんもされてねーよな」

「それは平気。あの人いったい何考えてるのかしら?」


帰り道の博士の車の中、灰原に告白されたことは衝撃的かつ予想して然るべき内容だった。

一つを除いて。

まずは灰原にベルモットが接触を謀ったこと。

これは黒の組織の関係者と何らかの形で出会う時、何故だか割かし高い確率で彼女も関わっていることが今までにもあった、という理由を元に考えうることだ。

次に『ローラン』とかいうコードネームが裏切り者でそれを始末するために黒の組織が動いていたらしいという事実を教えてくれたこと。

それは大和社長がその『ローラン』で加井修介が刺客だったんだろう。

彼が動機を頑として話さなかったのも頷ける。

だが、最後のマフィアが動いているというのが気にかかる。


「ボンゴレだっけか」

「そうよ。数多くのファミリーを束ねる大御所といったところかしら」

「そんな凄いところが出てくるとなると大変じゃのう」

「つーか要は黒の組織が他の犯罪組織と繋がろうとしてるってことだろ。だったらやることは同じだ」

「その認識は甘いわよ工藤君。ボンゴレファミリーは他の強豪と呼ばれるマフィアと比べても別格と言われているわ。つまりただでさえ黒の組織は危険極まりないのに更に強大なバックボーンがついてしまうのよ」

「……まじかよ。でも、まだ動いているとしかベルモットも言ってなかったんだろ。そう決めつけは出来ない」



逸る気持ちを抑えて俺はジョディ先生に今日会ったことを伝えた。

そして数日後、警察に拘留拘留されていた加井修介が何者かに殺害されていたことを知らされた。

それは明らかな口止めのためだった。




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