相反する立場 | ナノ




8

《side Mafia》


「あはは。あの探偵君ってばオレのことめちゃくちゃ疑ってんじゃーん」


容疑者が集められた部屋で、静まりかえっていた空気を払拭するかのように沢田綱吉は明るく笑って言う。

ちなみに獄寺と山本には出てってもらった。

彼らは容疑者でもないしひとつ『お願い』をして。

壁に寄りかかり他の容疑者がどうするかと眺める。


「君不謹慎よ。こんな時に。さっきだって警察の方が聞いていたのに」

「答えることには真面目に答えたんで問題なしですよ」


返事をしてくれたのは第一発見者の女性穂積由衣さんだった。


「あの探偵君って?」

「あぁコナン君ですよ。毛利さんよかよっぽど賢くありません?」

「……確かにそうかも」


被害者の友人だという桜井優さんも会話に加わる。


「わざと惚けているのでは?」

「かもしれませんねー。けど……」

「けど?」

「いえ、何でもないです」


綱吉は首を振って意思を示す。

たぶん違うと己の勘が伝えていても、敢えて口にする必要はないのだから。




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