相反する立場 | ナノ




5

《side Detective》


「ねぇ工藤君。今回はどんな事件が起こるのかしらね」

「ったく、そうそう毎回巻き込まれてたまるかっつーの」

「貴方のことだもの。分からないわ」

「だとしても解決してやるだけさ。…何もないのが一番だけどな」

「そうね。あら」


灰原が何かに気付いたように蘭たちを見る。

つられてコナンもそちらを見ると園子がいつもよりハシャイで何処かを見ている。


「蘭、あの人たち凄くカッコイイわ」

「ええ。新一でも負けるかも」

「う〜ん。蘭までそういうとは。いっそのこと乗り換えちゃえば」

「それはダメ」

「ねっ、話しかけに行きましょうよ」

「でも…」


会話の途中で恐ろしいことが聞こえた気がする。

慌てて二人が話しているだは誰だと探してみる。


「いた」


確かに男のコナンから見てもカッコイイスーツ姿の二人組がいた。

一人は中に赤いワイシャツを着た銀髪に翡翠色の眼をしている。

もう一人は青いワイシャツを着た短めの黒髪黒眼の人。

二人ともまだ未成年、たぶん高校生くらいかと見当がつく。


「随分と必死ね」

「ウルセー」


灰原の図星な指摘に目を反らして蘭たちの方を向きなおすと園子が蘭を引っ張って行こうとしていた。

「蘭ねーちゃんたちドコ行くの。ねっ、ボクも行くー。いーでしょー」


最終手段とばかりに子供っぽくおねだりをする。

呆れたようなため息が後ろから聞こえるがそれどころじゃない。


「なんでガキんちょがついてくるのよ」

「いいじゃない」

「ホント!?わーい。ありがとー。えへへ〜」


ホッと息をはいたところで蘭に話しかけようとする誰かが見える。

誰だ?



「あの落としましたよ」

「へっ、あっ、私の。ありがとうございます」

「どういたしまして」


蘭にハンカチを渡したのは重力に逆らったような淡い茶色の髪に優しそうな顔立ちをもつ人物。

オレンジ色のワイシャツを黒いスーツの中に着ている。

イケメンだわと園子が呟いて善は急げとばかりに自己紹介を始めた。


「あの私鈴木園子っていいます。貴方は?」

「並盛高校二年、沢田綱吉っていうんだ」

「あっ、同い年ね。私は帝丹高校の毛利蘭。で、この子は」

「ボクは江戸川コナン。よろしくね」

「うん。よろしく」


軽く自己紹介をしたところで彼は

「コナン君ってさキッドキラーの江戸川コナン?」

と聞いてきた。


「よく知ってるね」

「やっぱり!新聞で見たよ。凄いね」

「あはは。大したことないよ」

「そんなことないと思うけどな。アレ…じゃあ、眠りの小五郎もいたり?」


その質問にコナンも蘭も何とも言えない顔になる。

毛利小五郎がいる方を向いてみる。


「えーと、父は……」

「おじさまったらお酒に夢中みたいだわ」

「事件とか聞けるかなって思ったけど、無理そうだね」

「ごめんなさい」

「毛利さんが謝ることないって」

彼は人の良い笑みを浮かべてそう言った。

「よ!ツナ遅いから心配したぜ」


聞こえてきた声に沢田は振り向く。


「武、隼人も。悪い」


どうやら彼の知り合いらしい。

どんな奴らかとコナンもそちらを見れば先程園子が騒いでいた二人だった。


(まじかよ)


「ねーコナンくん、この人たちだれ?」

「ちょっとコナンくんまたヌケガケですか!」

「うおっ、マジかよ。ずりぃぞ」


いつの間にかいた歩美、光彦、元太にコナンは驚く。

よく見てみると灰原と博士もいた。


「抜け駆けじゃねぇって。えっとこの人は沢田綱吉さん。蘭ねーちゃんたちと同い年何だって。で、その二人は?」

「ん?俺か?俺は山本武な」

「獄寺隼人」


コナンの問いかけに山本と名乗った青年は爽やかに、獄寺と名乗った青年はぶっきらぼうに答えた。

そして、獄寺は態度を一変させて沢田に向き直る。


「何すか、このガキども?」

「待った。オレはガキじゃねぇ!!小島元太って立派な名前があるんだ!」

「そうですよ!ボクは円谷光彦です」

「ワタシは吉田歩美よ」

「……灰原哀」

「ワタシたち五人で」

「「「少年探偵団よ/です/だぜ」」」


歩美、光彦、元太がポーズをつけて名乗る。


「ハハッ元気だなー」

「子供じゃからのう。ワシは阿笠。気軽に博士と呼んでくれ」


軽くお互いに名乗った後はめいめいに話したり食べたりした。

三人は意外に子供の扱いに馴れてるらしく元太たちもなついたみたいだ。




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