7
sideダンブルドア
リアナに合わせて下手に出て幾つかの条件を飲んだダンブルドアだが、この少女を学校に入学させることに多大なリスクがあるのはこの短時間で見に染みていた。
それでも、彼女にはホグワーツに入って欲しいだけの理由があった。
そして、ホグワーツでこの闇に染まったような少女が心を開き心から笑えるようになればいいと、僅かな希望だと感じながらも思った。
「じゃあ最後に質問なのだけど、異世界ってどうやったら行けるの?」
「異世界?そんなもの存在するわけがなかろう。常識を知らない小娘だと思っていたがそこまでとは流石に我が輩さえ思い至らなかったがね」
「ああ、なんだ。殺して欲しかったのね、セブルス・スネイプ。だったら今すぐアバダ──」
「死ぬ気などない!!」
「あっそ。ならさっさと答えてよ。異世界は存在する。何故なら私は今までそこで生きてきたのだから」
異世界で生きてきた?
「本当よ。だから、この世界に両親がいるだなんて聞いて困惑しているんでしょうが。同時に納得もしている。彼処は魔法なんて存在しない世界だったから」
念を押すようにリアナは言葉を連ねた。
嘘をついているようには思いづらい。
いや、今までの彼女の態度を思えばからかわれているようにも考えられるが、そうではない気がした。
とはいえいくらなんでも異世界とは信じがたい。
ここではない、こことは違う世界で彼女は生きてきたのだというのだろうか?
「流石に知らないのう。聞いたことがないわけではないが、それはなんにも分からないと同じじゃ」
「そう。残念」
「リアナはその世界にもう一度行きたいのじゃな?」
「そりゃ当然。だから協力してくれると嬉しいけど?生活面だけなら向こうと大して変わらないからどうにでもなるんだけど、魔法についてはほとんど知らないの。異世界移動だなんて出来るならそっちの方面で探した方が早そーだし」
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