5
sideダンブルドア
突き放すような言動をするリアナにダンブルドアは何度も言い聞かすことしか出来ず、話題をそらした。
「そう言えばリアナ、名はどうやって知ったのじゃ?」
「拾われた時に着ていた服に縫い付けられてたと聞いただけ。でも、同姓同名ってくらいだけだと本人であると判断するには少なすぎる。それこそ世の中にはたくさんの人が生きている訳だから」
「それに加えてその容姿でも信じられないのかのう?これが、そなたの両親じゃ。特に、リリー母親にそっくりであろう」
リアナの前にジェームズとリリーの写った写真を置くとリアナは手に取りじっくり観察する。
人をくったような笑みを浮かべていた表情が少しだけ消えて、けれどその感情は読めない。
「まあ、確かに似てると言えば似てる。でもそれだけ。世界には三人自分にそっくりな人がいるって話知らないの?」
リアナはバッサリ言い捨てて写真から手を離した。
パサッと音を立てて写真がテーブルに落ちる。
消えていた表情が再び嘲笑を帯びていく。
「真偽がどうあれ私には関係ない」
「家族じゃぞ」
「死んでるじゃない」
「ハリーがおる」
「だから?仮に彼が私の兄だとしても、記憶にないもの。他人と変わりないわ。でしょう」
どうでもいいと切り捨てるリアナは人の情というものを持っていないのだろうか?
彼女はいったいどういう人生を送ってきたのだろうか?
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