3
sideダンブルドア
予定通りにリアナ・ポッターが住むという場所へ向かい、時刻通りに中へ入ると見知らぬ女性に刃物を突きつけられた。
いや、見知らぬ女性とは言い難い。
今は亡きリリー・ポッターにそっくりの女性だった。
但し、正義感に強く明るい性格のリリーと違い、その女性は相対するだけで畏怖を覚えるような、まるで闇そのものだ。
今すぐにでも殺されそうだという空気の中、その女性に目的を告げた。
その時、そもそもリアナがこの女性に既に殺されていたらという想像がダンブルドアの頭に浮かんでいた。
もしそうならばリアナに会うどころではない。
だがそんな自身を嘲笑うかのように女性の返事は異国の、おそらくこの国の言葉でダンブルドアには理解出来るものではなかった。
だから、翻訳魔法を使おうと杖を出したのだが、次の瞬間に起こった出来事は理解するより先に終わっていた。
女性が刃物の長い柄を床に突き、刃物と柄の付け根にある赤い石が光った。
そして、ダンブルドアとセブルスの足下から茨が伸びて二人を拘束した。
気がついた時には杖を手放していて、それは彼女の手に収まっていた。
見たことのないその魔法はおそらく闇の魔術だと思われた。
そうでなくとも彼女を刺激しないよう交渉する間、反撃の方法すらなく、生きた心地がしなかった。
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