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「つまり、この手紙について二人はここに来たってわけだ」
「そうじゃ。だからこれを外してくれんかのう。老人にこの体勢はちとキツイでの」
「えー。それは自業自得だと思うけど。初対面の相手に突然武器に成りうるものを取り出すだなんて、警戒されると思わない?死の呪文はアバダケダブラってゆーんだっけ。たった一言で人を殺せる力を持つんだよ。これ立派な凶器じゃん」
「ワシらはそんな物騒な人物に見えるのかのう。悲しいことじゃ」
「少なくとも不法侵入者であることに違いはないね。第一に初対面の相手がどんな人物かなんて簡単に決めつけてたら、あっさり殺されちゃうかもしれないよ」
優しそうな顔をした暗殺者だってこの世の中だ五万といるんじゃないかなと言葉を付け足し奪った杖の片方を軽く折ろうとでもするかのように持って力を加える。
「中々の硬度はあるようね。これなら、やろうと思えば身体に突き刺すことも可能じゃないかな。それも、例えば首とか、心臓とかを狙えば、死ねるね。特に動脈にきちんと当てれば出血量は酷く多い。ほら、やっぱり凶器になる」
「それは、恐ろしいのう」
杖をダンブルドアの胸に向けて笑う。
ちょっと脅しすぎただろうか。
二人の杖をポケットに入れて斧槍をまた床に音を立てて突かせる。
ルビーが光りするすると二人の茨の拘束がほどけて、二人を床に叩き落とすというオプション付きで消えた。
「リアナ・ポッターに話があるんでしょう。入って」
玄関から進んで一つ目の部屋に二人を招き入れてソファに座らせる。
礼儀を欠きすぎた連中相手にお茶を出す道理はないと自分もテーブルを挟んだ向かい側に腰かけた。
「それで、ミスポッターはどこに?」
「ああ、まだ気づいてなかったってわけか。私だよ」
ダンブルドアの質問に答えるように再度ハルバードを鳴らし光らせそれを彼らの視界から消すと共に自身に藍色の霧を纏わせ掛けた幻術を解く。
これで彼らの目に映るのは一人の女性ではなく少女になった。
目を見開いた彼らに笑みを深めた。
おそらく二人の中でのリアナ・ポッターは魔法をほとんど知らないマグル育ちの少女かなんかだったのではないだろうか。
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