特別 | ナノ




3

沢田綱吉。通称ダメツナ。

テストはいつも赤点で(いや三年の頃は違ったか…?)運動神経無しでアイツのいるチームはよくよく負けてて。

で、今の男がダメツナ?

信じらんねえ。いや、信じたくない。

寧ろあれは勝ち組だろう?

高級そうなスーツ着てたし、モテそうな顔してたし(中学の時はどうだったっけ?ダメすぎたからか?)、さっきも淀みない動きっつうか少なくとも運動オンチに見えなかったし。

それからめっちゃいい発音で英語しゃべってたし、たぶんイタリア語も。

いったい中学卒業後のアイツに何があればああなれる?

清水が小声で問いかけてくる。


「おい、知り合いだったのか?」
「たぶんな。中学の同級生」
「なら俺ら騙されてるってことはないよな」
「騙されるって?」
「実はこれから人身販売に引き渡されるとか」
「はぁ?いや、ない、と思いたいけど」


小柳が言い出したことはこの状況なら考えても仕方ないことだろう。

中学の頃のアイツならダメツナならそんなことないと言える。

けれど今は?

あんなに成長して変わった。

ないと思いたいけどよく分からない。

第一何でアイツは追われてるんだ?


「おい、お前らが沢田さんの言ってた一般人か?」


突然かけられた声に驚く。

ぜんぜん近づかれたことに気がつかなかった。

その人は銀髪に緑色の目で、今度はすぐに分かった。

不良の癖に何故か沢田になついてた忠犬(今もなのか?)。


「獄寺か」
「そういや知り合いが混ざってたのか。ああそうだ。着いてこい」


今度は獄寺に着いての鬼ごっこ。

ただし今度は追いかけてくる奴等が見当たらなかった。何故だ?





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