とある夫婦の話

福東、にょた、戦国時代もどき



時は戦国、数々の大名たちが天下を我が物にせんと、戦を重ねている。そんな時代、とある大名の下に、福富寿一という若者がいた。祖父、父、兄と三代に渡って、武勇にも知略にも優れた家系だと名高い、福富家の次男坊である。彼は、家督を継ぐことに興味はなかった。ただ、福富の名を天下に轟かし、金にものを言わせているだけの大名を出し抜いて、人格者の兄に天下をとってほしいとは考えていた。


「福ちゃん!戦の最中に考え事かヨォ!」


ふと背後からキーンとした金属音と、聞きなれた男の声がした。


「スキだらけだゼェ!」


荒武者、荒北靖友。大名同士の戦で焼かれた農村の出で、怒り狂って絡んできたところを、何度か相手しているうちに、福富の仲間になることを志願した変わったやつだ。最初は鍬を振り回していた彼に、槍を持たせたら、我流ながらなかなかいい動きをした。


「そう言うお前も隙が多いぞ!」


荒北の左側から迫る敵を斬ったのは、東堂尽八。弓の名手が多いことで有名な東堂家の出身だが、本人は小太刀を手にし、小柄な体躯を生かした身軽で無駄のない刀さばきをする。


「楽しそうだな!俺も混ぜろよ!」


背後から、福富が対峙していた足軽を撃ったのは、新開隼人。福富家とは古くから付き合いのある新開家の息子で、二人は幼馴染みという関係である。彼は、数年前までは豪腕を生かし、少し大きめの刀を得意としていたが、訳あって火縄銃に持ち変えた。弾の詰め込みの関係で、前線に出ることのないそれを持ち、最早半分鈍器として使用しているのは、恐らくこの新開だけであろう。周りが、ならば再び刀を持てといくら言っても聞かないのは、彼なりの理由あっての事。


「敵の本陣はすぐそこだ。四人で斬り込むぞ」
「大名様のご命令はー?俺らは主力部隊がここまで来やすくするための陽動だったはずだろォ」
「周囲の敵はあらかた片したけど、なんで本隊は来ないんだろうな」
「わかりきったことを…恐らく、激戦区を避け、回り込もうとした作戦が露呈したのだろう」


あれほどフクが正面突破を進言したのに…と、東堂はため息を吐く。彼らの仕える大名は、被害を最小限にするために、敵の裏をかいて回り込む作戦を好む。今度の相手は、大名とは何度もぶつかっていてそれをよく熟知している。だからこそ、主力はまとめて正面突破をすべきだと福富は進言したのだが、聞き入られなかった。


「戦を長引かせれば本隊が壊滅しかねない。早く敵の総大将を仕留めて終わらせる」
「了解だ寿一!」
「うむ!」
「福ちゃんが言うなら仕方ねぇナァ!全くお人好しだぜ!」


ここ数年はいつも、この四人が纏まって、数々の戦を生き抜いてきた。そんなある日のことだ。福富寿一が、敬愛する兄に突然見合い話を持ちかけられたのは…


「見合い、ですか?」


いままでトンと縁のなかった言葉である。福富は、思わず上座に座る兄を凝視した。


「そうだ。東堂殿がぜひお前に二の姫を嫁がせたいらしい」
「二の姫?」
「一昨年婿養子をとられた一の姫の妹君さ」


東堂家の一の姫というのは、東堂の姉で間違いはないだろう。しかし、もう一人姉妹がいるなんて話は初耳だった。


「向こうの、姫君は何と…?」
「そこは何も聞いていないが、下手に断ればそのお嬢さんに恥をかかせることになるやもしれんぞ」


そう言われては、福富に断ることなどできない。どうしたものか、彼は、いつもの仲間たちに相談することにした。





見合いを言い渡されてから幾日か経った。全員揃っての鍛練の時間、それが一区切りついたところで切り出す。


「相談があるのだが」
「何だい?珍しいじゃないか」
「実はな…」

先日兄から見合いを勧められた。と告げると、荒北がハァ!?と素っ頓狂な声を上げる。東堂も目をこれでもかというくらいに見開いていた。新開だけが、実に愉快と言わんばかりに笑っている。東堂は聞かされていないのだろうか?不思議に思いつつも、福富は言葉を続けた。


「東堂、相手はお前の所の二の姫らしいのだが、妹もいたのだな」
「え!?そうなの尽八!?」
「姉貴だけだと思ってたワ」
「は!?あ…そ、そうなのだよ!俺に似て美しいぞ!あー…すまんが、そろそろ帰らねばならんのでな、これで失礼する!」
「尽八、このあとみんなで甘味処に行こうって…」


新開の言葉も聞こえぬかのように、東堂はそそくさとその場を後にした。いったいどうしたと言うのだろうか。三人は顔を見合わせて首をひねった。しばらくして、福富たちはこの時、すぐにでも東堂の後を追うべきであったと後悔することになった。いくら鍛練に誘っても、遊びを持ち掛けても、酒を持って訪ねても、東堂はその姿を見せなくなったのである。


「何考えてんだあのバカ!」


どんっと徳利を畳に叩きつけて荒北が吐き捨てる。


「寿一が妹さんと見合いするって聞いてからだろ?様子がおかしいの」
「妹が友達と見合いするくれぇで何なんだヨォ!」
「尽八にとっては何よりも大切な妹なのかも。なんせ俺たちにまで存在を秘密にしてたくらいだぜ?」
「それが気に食わねェんだっつーの!」


俺らはあいつにとって、そんな軽い仲だったってことだろ!?大分酒が入っているのか、いつも以上に荒ぶる荒北だが、彼の言いたいこともよくわかる。あれほど、四人でたくさんの戦を勝ち残って来て、どこの誰よりもお互いが一番信頼できると、時には家族よりも深い仲だとすら思っていた相手だ。自分が見合いを受け入れたことで、東堂が離れていくのなら、二の姫に恥をかかせても断るべきだったのか。福富はそう考えるようになっていた。見たこともない美姫と自己愛の過ぎる戦友ならば、迷うことなく東堂を取る。しかし、もう見合いは断ることができないほどに段取りが決まり、ついに明日に迫っていた。また、四人で共に時を過ごすことはできるのだろうか。できることなら、少し前に戻りたいとすら思う。徳利から直接飲み始めた荒北と、それを諌めようとする新開を眺めながら、盃を煽った。








東堂尽八には、戦友たちにも言えない秘密があった。湯汲みのために、衣服を脱ぎ捨てた体を見下ろす。決して大きくはないが、柔らかな膨らみが胸元にある。普段は晒で潰しているそれは、東堂が女性である確かな証だった。そう、二の姫とはまさしく、東堂自身を指す言葉なのである。福富が見合いの話を切り出したあの日、東堂は彼から聞かされるまで、そんな話があることを知らなかった。急いで戻って姉に詰め寄ると、彼女は得意気な顔をしてこういい放った。


「寿一殿がお相手なら、貴女も納得するでしょう?」


見合いのための着物も、新しく誂えたのだと言われて、断る選択肢など最初から与えられていないことに絶句した。友であり、いままで男だと偽っていた相手と見合いとは…福富は、女の姿をする自分にどんな反応をするだろうか。重々しくため息を吐く。実のところ、東堂にとって福富は、ほのかに恋心を抱いていた相手でもある。あまり笑顔を見せない厳格さと、仲間想いの優しさ。荒北が村を焼かれた恨みをぶつけても全て受け入れ、新開が刀を持つことに恐怖し、火縄銃に持ち変えた時も、武士の武器ではないと罵る輩に一喝した。初めて会ったときは、高名な家の出であるのに、なんて無骨な男だろうと思ったものだが、いつのまにかそんなところにも惹かれていた。それに気付いたのはいつの事だったか…。女と露見すれば、同じ戦場に立つことも、隣で酒を飲み交わすこともできなくなる…だから、決してさとらせないように細心の注意をしていた。たけど、そんな浅はかな東堂の心中など、姉にはお見通しだったのかもしれない。





見合い当日、姉が特別に用意した着物を見て、ますます気分が重くなった。桜色の小袖に臙脂の打掛、普段、東堂が身に纏う色とは正反対の女らしい色。似合わないから余り好まないのに、と、再びため息を吐こうとして、姉に睨まれる。


「私の用意した着物が不満なの?」
「そうではなくて…こういう色は似合わんのだよ」
「話し方には気を付けて。男勝りもいいけれど、今日くらいは女らしくなさい」
「…」


さあ着せておしまい、という姉の指示に、廊下で待機していた侍女たちが次々と入ってくる。着物を着付けられ、化粧をされ、いよいよ逃げ場がなくなった。


「もうどうにでもなれ!」
「こらっ!」






見合いの場は東堂家の離れだ。先に福富と福富の兄が中で東堂姉妹を待つ形になる。今回は、東堂の妹とやらを一目見てやろうと、荒北や新開も付き添っていた。


「失礼致します」


からからと襖が開いて、中に東堂の姉が入る。三人は何度か会ったことがある。東堂に色っぽさを加えたような、大人の女だ。その人に続いて、東堂本人が入室した。
東堂は、荒北や新開までいることに顔を強ばらせる。いるなんて聞いていない。咄嗟に妹だと偽ったのだから、最後まで妹のふりをしてしまおうか。そうしたら、この縁を破談にしてしまえばあとはいつも通りだ。そう考えたが、相手は福富、荒北、新開、うまくいくか心配である。


「さぁ、挨拶して」
「お初にお目にかかります」


そう、女の自分はこの戦友たちとは初対面なのだ。東堂は自分にそう言い聞かせた。
一方、福富たちは、見合いの相手が東堂本人ではないかと思うほど、酷似していることに驚いていた。しかし、女にしては短めの髪に花をあしらった髪飾り、うっすらとさした紅、薄紅に染まった頬、どこから見ても女である。


「私は、貴女の兄君であられる尽八殿の友、福富寿一と申します」
「いえ寿一殿、この子は…」
「兄から話をよくうかがっております!」


姉の言葉をむりやり遮ると、少し嫌な顔をされたが、それ以上のことはなかった。とにかく言葉を続ける。


「兄曰く、寿一殿は剣術にも知略にも秀でているとか。また、とても仲間想いでいらっしゃるそうで…それから、荒北殿、新開殿といつも四人で楽しくやっていると、私に自慢なさるのです」
「東堂、いえ、貴女の兄君がそうおっしゃったのですか?」
「えぇ、誰よりも大切な友であると」


その言葉に偽りはない。純粋な、東堂の本心だった。その後、料理が運ばれてきたので、互いの挨拶はそこまでとなったが、食事が一段落した頃、あとは若い者同士でと二人きりされた。こういう時に何を話せば良いのか…東堂は困ってしまった。沈黙が続く。それを破ったのは福富だった。


「先程のお話なのですが…」
「え?」
「兄君が我々について語っておられたことです」
「あぁ…」
「他には、何と言っていましたか?」
「他には?えぇっと…」


他に、自分がこの友人に対して思っていること。少し思案してから、東堂は口を開いた。


「大切な友に、隠し事をしていることを心苦しく思っているようです」
「隠し事?」
「はい…その秘密が公になれば、貴殿方とは共に戦えなくなる。だから、告げる事はできないが、やはりそれが苦しいと…」


そっと福富の様子を窺う。これは一つの賭けだった。反応によっては、本当に、もう一緒にいられなくなる。こんな危険を犯すような真似はあまり好まないが、東堂は心のどこかで、隠し事をする自分でも、この友は受け入れてくれるのではないかと期待していた。


「東堂がどんな秘密を抱えていたとしても、我々はこの友情を変えることはないでしょう。打ち明けてほしい、とは本音ではありますが、本人の心が決まるまでいつまでも待ちましょう」
「寿一殿…」
「お前がいなければ調子が狂う。何があっても我々の友情は変わらないのだから、早く吐け。荒北も新開も、お前を待っている」
「寿一、殿…?」
「互いの関係がどうなろうとも、お前が怖がることなど何もない」
「それを…兄に伝えればよいのですか?」
「いや、お前に言っているのだ東堂」
「え…?」


何を言うのだこの男は…!まさかばれていたというのか。頭が真っ白になった。そんな東堂の様子に構わず、福富は彼女の手を取った。


「っ!」
「この手は、小太刀を持ち勇戦する東堂本人の手だ」
「いえ、これは…」
「刀を握るものにしかできないたこがある。ただの姫にはできようはずもない」
「武芸の一つや二つ、たしなみます!」
「たしなむ程度でこんな手にはならん。数々の戦を戦い抜いたモノノフの手だ」
「…」
「それに、目をみればわかる」
「目?」
「根拠はないが、お前が東堂尽八であると、その瞳が俺に語りかけている」


手を握られ、瞳を見つめられてしまえば、とらえられたも同然。これ以上は無理だ。


「お前にはかなわんなぁ」


あきらめて、もう何度目かわからないため息を吐いた。


「東堂、お前は口も達者だが、本当に重要な事は口よりも目で語っている」
「無駄口ばかりだと言いたいのか?」
「そうではない。お前は時々本心を隠すが、俺たちにはわかるというのだ」
「ならば、なぜ俺が女であることをばれたくなかったかは?」
「…友情が、壊れるとでも思ったのか?」


じっと見つめられる。全てを語れと言っているようだ。東堂は、福富こそ多くを語らず、目にで物を言っているように思った。


「それもあるが、そうではない。友に持つべき感情でないものを、フクに対して抱いているのだ」
「俺に?」
「そうだ。女としてお前に惚れている。だから、ずっとそばにいたかった。戦場に立ち、酒を飲み交わし、鍛練で互いを高め会う。そんな男同士ならば当たり前の関係を保ちたかった。お前だけではなく、荒北と、新開、お前たちは私の宝だ。女の身では立ち入れない戦場で、知らぬときに死ぬかもしれない。でも男の身ならそばで、隣に立ち、お前たちの背中を守れる。そう思ったのだよ」


まさか東堂が、そのようなことを考えていようとは、夢にも思っていなかった。


「いつ、気づいたのだ?」
「手を見てからだ」
「手?」
「先程も言ったが、お前の手は武士の手だ。女にいう言葉ではないのかもしれんが…勇猛果敢でつわものである証拠、俺たちと共に、この激動の時代を生き抜いてきた手だ」
「そう言ってもらえるのは嬉しい」
「そうか」
「だが…」


こうなってしまった以上、最早これまでだ。と、東堂は言った。福富がどういう意味かと、聞き返そうとする前に言葉を繋げる。


「もう東堂尽八のことは忘れろ」
「何を言う」
「お願いだ。全て忘れてくれ」
「全て、だと?」
「あぁ、出会ってから今日に至るまでの全てだ」


福富は、東堂の言っていることが理解できなかった。そう簡単に忘れられるはずもない。どうしてそんなことをいうのだろう、と。


「それは無理だ」
「いいや、忘れてくれ。もうお前たちと共にはいられない」
「何故だ?」
「何故も何も、恋慕の情を本人に知られてしまったのだぞ。しかも女とばれた。女と同じ戦場に立とうなどできまい?」
「そんなことはない。先程も言っただろう、友情を変えることはないと」
「だとしても、私の心が納得しないのだよ!」


それに、父上もそろそろ身を固めろとうるさくてな、戦場にももう立てなくなる…。そこまで口にして、東堂は自分が女であることを呪った。守りたいもののそばで刀が振れない。友の生死さえ、話に聞くのみになる弱い女の身。唇を噛み締める東堂を見て、福富は少し考えた後、口を開く。


「ならば…いっそ俺の妻になれ」


東堂は驚くあまり、目を見開いた。


「友としてではなく、俺の妻として隣にいればいい。戦に出たいと言うなら止めはせん。お前の強さはよく知っている」
「フク…」
「それでも納得できないか?」


沈黙が続く。しばらく思案した後、お前はどうなのだ、と返される。実のところ、福富は東堂が自分から離れなければ、関係なんて何でもよかった。友だろうと妻だろうと、見合いの話をしてから、今日までの会えなかった間、ずっと東堂のことを考えていた。次会えたら、絶対に離れさせない。ここまで東堂に、密かに依存していたのかと驚いた。本人はこれを、友情の延長だと思っていて、それが愛であることに気付いていない。まさか自分のような、無骨な男が恋をするなど考えたことがないのだ。


「納得するしないもない。お前が俺たちのそばにいたいと言ってくれたように、俺もお前に、そばにいてほしいだけだ」
「…!」
「それに、どこの誰とも知らない男のもとへ、お前が嫁ぐなど我慢ならん」
「それは…」


まるで告白のようだ、という言葉を飲み込む。


「覚悟を決めろ。どうせ嫁ぐなら俺のもとへ来い」


すっと差し出された福富の手を見る。自分と同じ、数々の戦を戦ってきたモノノフの手だ。次に目を見る。まっすぐで力強い瞳。大好きな目だ。自分が女だから、女とばれたからと引け目に感じていたことさえ、福富にはとるに足らないことなのか。


「もう一度言う。東堂、俺と夫婦になれ」
「めおと…」
「そうだ。俺にはお前が必要だ」


そんな風に言われたら、抗うことなど、東堂にはできない。


「かなわんなぁ」


そっと、福富の手を取った。










それから数年後、開けた丘に構えた陣、大名と複数の重鎮が地図を見つつ眉間にシワを寄せていた。この土地では、互いの陣が丸見えで、得意の戦法は使えない。どうしたものか…。そこに一つ、手が上がる。


「殿、よろしいでしょうか?」
「ん?どうした福富の」


その、手は福富寿一のものであった。一歩前へ出て、提案を一つ。


「我々少数の兵がまず、陽動として中央で暴れます。恐らく敵は、陽動と見抜いて、こんな土地でも回り込んでくるのかと、警戒するでしょう。しかし、少し時間をかければ、もしや、こちらには兵が少ないのかもと油断するかもしれません。そこで主力部隊を出してきた所で、残った全ての兵で畳み掛ける、というのはいかがでしょうか」
「ん、うーん…」
「悩む時間はあまりありません」
「しかし…」
「殿」


なかなか決断ができない大名に、もう一人
、一歩前へ出て進言するものがいた。


「東堂の、いや、福富の嫁」


福富家に嫁いだ、東堂である。嫁入りしてからも、福富が言ったとおり、戦場でも常に隣にいた。もちろん、荒北も、新開も、みんな一緒だ。


「もし、我が君の言う通りに敵が動かなかったら、我々を見捨ててお逃げください」
「なんだと!?」
「しかし、言った通りになったら、この作戦を実行してください。必ずや、殿に勝利をもたらしましょう」


福富の隣でにこり、と笑った。


「うむ…そこまで言うなら仕方あるまい。わかった。任せる」
「感謝致します」


皆、準備はいいな!行くぞ!福富の掛け声におおおおと野太い雄叫びで返しながら、兵たちは次々と、戦場へ駆け出して行った。


「新開、一番槍いけるか?」
「当然!」
「荒北」
「わーってるヨ!まかせなナ福ちゃん!」
「東堂」
「無理はしない。身重だからな」
「「身重!?」」
「ちょ、尽八大丈夫なのかい!?」
「バカ野郎なに考えてんだバカ!」
「ちゃんと、夫の許可は得ているのだぞ」
「福ちゃん!」
「ははっ…さすが寿一だ」
「だが約束通り、俺のそばから離れるな」
「うむ」
「ではいざ行かん!俺たちは強い!」


土煙を巻き上げて、敵の陣地へ突入した。








おわり




ぐだぐだぐだぐだ


2013/12/8



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