ヒーロー誕生!

連載にしようと思ってボツにしたパロ

○ヒーロー誕生!

とある高校の文芸部員不破雷蔵は、部長の中在家長次と古書店散策に訪れていた。保存状態も良く割りと価値のある古書が、こういう店で売られていることも多い。それを見つけるこの行為が、まるで考古学者が遺跡を発掘しているかのような感覚を味あわせてくれる。二人は最低でも月に二度、古書店を巡っていた。今回は中在家が、知り合いの古書マニアから教えてもらった古書店に行ってみようと不破を誘ったが、不破の方から中在家を誘うこともある。

「先輩、何かありましたか?」
「・・・・」

店に入って一時間弱、粗方見終わり、欲求が満たされた不破が中在家に尋ねると、無言で一冊の書が差し出された。見たところ、あまり古くない。古書とは呼べないような代物である。

「これは?」
「紛れていた」

受け取ってパラパラ捲ると、何かの設計図のようであった。

「腕時計?じゃないですね、チェンジャーって書かれてますが・・・・」
「ヒーローの変身道具」
「の、設計図ってことですか?」

こくりと一つ頷いた。

「理論はよくわからないが、しっかり考えられているようだ。留三郎にでもやろうと思う」
「あぁ、それは喜びますね!」

中在家の友人、食満留三郎はスーパー戦隊や仮面ライダーなどの特撮が好きなのだ。自他共に認める特撮オタクで、考察サイトなんかもやっているらしいと、話を聞いたことがある。もしかしたらこれは、そういうヒーローものの設定資料かもしれない、と中在家は言った。

それから2週間ほど経過したある日、不破はメールで中在家に科学部の部室へ来いと呼び出された。なんでも例の設計図を元に、食満がチェンジャーを作り上げたと言うのだ。

「しつれいします」
「雷蔵」

科学部の部室には、中在家や食満の他に、不破の同級生で科学部員の久々知兵助、風紀委員長の立花仙蔵、生徒会会計職の潮江文次郎がいた。

「やあ兵助」
「お前と中在家先輩が持ってきてくれた設計図を元に、潮江先輩に挑発された食満先輩が完成させられたものがコレだ」
「こら余計なことまで言うんじゃない!」
「すみません」

久々知の詳しい説明を受けて、不破は例のチェンジャーを手にとった。

「変身道具なんですよね。まさかその機能まで再現したとか・・・・?」
「ふふふ、案ずるな不破。そのための実験台は既に呼んでいる」
「え・・・・?」

それはどういうことですか?と尋ねようとしたとき、ガラッと勢いよく扉が開いた。

「来たぞ!」
「来たか」

入ってきたのはこの学校のバレー部キャプテン、七松小平太と、そのバレー部でセッターをつとめる竹谷八左ヱ門だった。竹谷は七松の肩に担がれている。

「ハチ!」
「らいぞー」

不破の姿を認めると力なく笑った。七松の肩からおろされた竹谷に不破と久々知が駆け寄る。

「大丈夫?」
「だいじょぶだいじょぶ・・・・」
「大丈夫じゃなさそうだな」

どうやら目が回っているようだ。フラフラする彼を両脇から支える。と、立花がパンパンと手を叩いた。

「さて、だいぶ揃ったようだから始めるぞ」

その言葉に頷いた食満は、チェンジャーを七松と竹谷に渡した。渡された二人は首をかしげている。

「何だこれは?」
「そのうちわかる。試しにそれを腕にはめてチェーンジと叫んでみてくれないか」
「何で?」
「何ででも」
「小平太、あとで文次郎がバレー部の予算を増やしてくれるぞ」
「仙蔵!テメェ勝手になんてこといいやがる!」
「よしやろう!」
「小平太!」
「竹谷、せーのでやるぞ!」
「え?あ、はい・・・・?」
「せーの!」

「チェーンジ!」
「チェーンジ?」

予算が増えると聞いてノリノリの七松と、状況が飲み込めないうちにやることになってしまった竹谷は、食満の言うとおりの言葉を唱える。すると、二人の身は目映い光に包まれた。次の瞬間、その光が霧散した時、不破が目にしたのは、赤い装束を纏った七松小平太と、それとほぼお揃いの黄色い装束を纏った竹谷八左ヱ門だった。


スーパーヒーロー誕生!


つづかない

この後、

敵に操られた勘右衛門を助けて青に変身させ、三人で地球を救う。

敵に捕らわれた伊作(ヒロイン)を救出しにいったら敵の幹部に三郎発見。

雷蔵(ヒロイン)の呼び掛けで三郎寝返る。

黒に変身した三郎も加わって、四人でラスボス倒す。

めでたしめでたし。

ってストーリーを考えたんですけど無理でしたorz
ちなみに、ヒーロー四人の中でヒロインポジションなのは竹谷のつもりでした(笑)
赤、黄、青、黒wwwww

2012.5/3

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