キミに極限愛を捧ぐ | ナノ



2012アジマリ記念日コラボA



 たまにはまあ、あいつと一緒にお茶とかごはんとか、行くようになって。
でも、何かが変わったなんて思ってなかった。

出掛けて、自分の部屋に帰ってきて。
いつもの「送るヨ」「いいって」「いいから」の押し問答に負けて、
送ってもらって。
律儀に玄関先で帰ろうとするあいつに、なんだか毎度それも悪いなって。
いくらあいつが好きでやってるからって、僕だって鬼じゃないし。
お茶ぐらい飲んでいけば?と、部屋に招きいれた。
ところが、だ。
そんな日に限って天候が急に崩れたのだ。

お茶を飲んでいる間に降り始めた雨は、すごい勢いでちっともやむ様子がない。
外に出たら一瞬でずぶぬれだろう。
いつ、雷が鳴り出してもおかしくない。


「雨、止まないね……」

「そうだネ」


どうしよう。


「ねえ」


さすがに、この、ひどい天候の中帰すのは気が引けた。
仕方がないよね。


「今日、泊まって行けば?」


変な意味はないんだから。
誤解しないでよ?


きみの瞳が点になっていた。
薄青の瞳がこんなふうに固まるのを見たのは、初めてかもしれない。





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