02


眠気も覚めた所でキラーさんとたわいもない話をして仲良くなったかもしれない。それしかやる事がないしね。見張ってなくてもいいですよ、と言えば真面目なのかそういう訳にはいかないと逆に監視を燃えさせてしまった。別に今は逃げる気ないんだけどな。ここまできたら一発あの閣下を殴りたい。ご飯がきたので手錠も外してくれた。いいのだろうか。

『手錠はずしていいんですか?』

「ああ、今は殺気もないし。逃げようとしたら全力でとめさせてもらうが。大人しくしていてくれると助かる。」

『今は逃げる気ありませんので。じゃあ、頂きます。』

「…毒とか色々なんかないのかお前は。」

『いやぁ、実は拉致とか始めてじゃないんですよ。だから食べれるときには食べとこうと思って。』

「そうなのか?」

ちょっと驚いたのかわからないが多分そうなのだろう。声がそんな気がする。仮面だと表情がわからないからやりにくい。顔さえ分かればもう少し仲良くなれそうなものなのに。私が寝ている間にキラーさんはご飯を食べたらしく飲み物をストローで吸っている。なんだそれ可愛いな。ご飯姿も見たかったのに。

『海軍にもヒューマンオークションにも狙われてますからねぇ。捕まるのはそう珍しくないっていうか。よく生きてますよね私。』

「そうか、色々苦労しているんだな。」

『まぁ、それなりに波乱万丈でしたけど。なんだか目をつけられてから調子に乗ったら色々賞金額が上がっちゃったんでしょうがないですよね。』

「なぁ、なにが「おい名前。」キッド。」

『気安く名前よんでんじゃねぇ!!』

ご飯を置いてごすっ、っと閣下の顔面にパンチを入れ込む。いやぁ、いい感じに入った。とりあえずスッキリだ。一回殴るとう目的は達成したし。倒れてる閣下の胸ぐらを掴む。この顔を見たらイライラがまたでてきてしまったのだからしょうがない。

『麻酔銃とか海楼石とか面倒な事させやがってよ。あぁん?てめぇを海軍に出してやろうか。』

「しょうがねえだろ!お前が逃げだそうとしたんだから!大人しくついて来てればあんな事しなかっただろ!」

『普通あんた達見たいな奇抜な奴らでしかも海賊に囲まれたら普通ああいう対応になるでしょうが!しかもあんた上から目線すぎるんのよ!仲間になってほしかったら頭下げる位しなさいよ!』

「はぁ!?なんで俺が船長なのに頭下げんだよ!じゃあなんだお前俺が頭さげたらついてきたのかよ!」

『土下座したっていくわけないでしょ。頭使いなさいよ。まぁ、頭悪そうだもんねあんた。』

「てめぇ女だからって俺が大人しくしてると思ってんじゃねえぞ!」

『あんたのどこが女だからって大人しくしてんのよ!麻酔銃つかってよく言うわ!』

「名前やめろ。」

ピタリと体がとまる。始めて名前を呼んでもらった。ちょっとびっくりだ。女の子が男の上に跨るな、と手を差し伸べられる。なんだか親に怒られている気分になる。キラーさんの手をとって立ち上がりすみません、と謝って閣下をさりげなく蹴る。いらっとしながら立ち上がった。

「キッド。そんなやり方で仲間になってくれるわけないだろう。考えろ。」

「俺は人に命令すんのは得意でも頼むのは苦手なんだよ。それにお前もあんときは何も言わなかったくせになんで今更そっちの肩持つんだよ。」

「話したら申し訳ないと思ったんだ。それに俺はやり方に賛成してない。何も言ってないだけでいいとも言っていない。だがお前がどうしてもというから仕方なくいったんだろ。だから俺は黙ってたじゃないか。」

『(シカトしてた訳じゃなくてためらってたのかなあれ。このやり方はよくないと思ってくれていた訳だ)いい人ですねキラーさん。』

「一緒に実行したら共犯だろうが。船長命令って言って無理やり連れていったけどよ。だから頼むのは俺の性格上無理だ。」

『どういう躾をうけたんだ。親の顔が見てみた、いや。家族皆閣下だったら笑い以前に怖いからいいや。』

「閣下じゃねぇ!!キッドだ。ユースタス・キャプテン・キッド。」

『名前よ。』

「あー、なんつーか。…悪かった。」

これまた驚く。なんていうかキラーさんがうんうん、って頷いているのにも。なんかでかい子供とおかんだ。だって仲間にしてえじゃん、とか断るから力づくになっちまった、とかなんだか図体でかいくせに可愛い事いっている。きっとこういう所があるからキラーさんも面倒をみているんだろうね。反抗期の子供だもんね。その後もお前はいつも、とかお前だって止めねえじゃねえか、船長命令だし俺が止めったって行ったくせになど喧嘩、とうか説教している。

『ふふふっ。貴方たちってもっと酷い人かと思ったけどなんか違うんだね。』

「「っ。」」

『…なに、その固まりようは。』

「いや。なぁ、キラー。笑った方が年相応っぽい、といったところだな。」

「違いない。笑っていたほうがいいぞ。」

『貴方達も喧嘩腰より今のがいいけど。まぁ、貴方達より若いだろうしね。キラーさん顔わからないから知らないけど。キッドも素顔は若そうだしね。』

「あー、でも名前の方が若いだろやっぱり。なのに一億か。やっぱりすげぇなお前。しかも悪魔だろ。あの羽とかまじいけてる。」

『なってもいいかな。』

「なににだ。」

『海賊に。』

「まじか!!」

『でも私誰かに命令されたりキッドの事お頭って呼んだり私より弱い雑魚に新米クルー扱いされるのは嫌なんだけど。』

「…なる気ないだろ。」

「はっ、強けりゃ誰も文句言わねえよ。俺は名前呼びでも構わねぇ。お前を仲間にできるならな。」

『そう。なんで私を仲間にしたいの?』

部屋からでて歩いていくキッドについて行くキラーさんが私においで、と手招きされたので大人しくついていくことにした。2人から殺気は感じられないし仲間にしたいのは嘘ではないだろう。どこに向かっているのだろうか。

「一回名前の戦いを見た事がある。お前は気づいていないと思うけどなァ。」

『うん、まったく知らない。キッドとキラーさんみたいな印象強い外見なら一度みたら忘れないはずだし。』

「ククッ、違いない。」

「で、惚れた。」

『は?』

「そういう意味じゃないさ。」

「俺は年下に興味ねぇ。」

『胸を見ていうな。私だってムキムキと俺様は嫌い、ってこれ言ったなぁ。』

「戦い方に惚れたんだよ。しかも悪魔だろォ?これは仲間にしないでどうすんだ。しかもお前の面白い性格。気に入った。」

「よかったな。」

『よかったのかな…。ただたんに性格悪い所がいいって言ってるようなもんだし。悪魔悪魔ってあんまり言わないでよ。』

「麻酔銃使ったのは海軍がそういう作戦をたててたからその銃ごとかっさらってきた。」

「海軍にとって名前はやっかいな事この上ないからな。血でガードできるし海楼石でなんとかしようと思うと飛んでくし。」

『しかも悪魔のごとく血も涙もないしねぇ。』

そういったらキッドが爆笑してまた気に入った、といった。こいつのツボはよくわからない。だって自分を襲ってくる奴に情けなんてかけてどうするのだ。殺しはあんまりしないが向こうが非道なら遠慮はしない。

『でもそういう噂があるだけで私そんな非道じゃないから。動物には優しいんだから。』

「動物だけか。まぁ、切りかかってきた奴に同情も慈悲もいらないからな。」

『さすがキラーさん。そうですよね。』

「ま、とりあえずもうあの島は離れてるし次の島までゆっくり考えろ。」

「海賊船だか寛いでくれ。」

『えぇ!?まじか…。じゃあお言葉に甘えて。というか考える猶予とかくれるの?だったらなんで拉致ったわけ?』

「あん時は考えたって拒否しただろうが。今なってもいいかもって心揺らいでんだったら考えろよ。キラーもうるせえし。時間はあんだから。」

「船はでてしまってるから、飛ばなければ数日かかるしな。」

「俺がこうやって譲歩してやってんだから逃げんなよ。」

まぁ、キッドがこういうなんて意外なんだろう。せっかくだからお言葉に甘えて考えよう。キラーさんに諭されている気がするけど。外はもう暗い。さっきご飯を食べたがら眠たくなってきたが甲板にいくドアを開けるとクルーの雄叫びと酒とか料理の匂いが鼻をくすぐった。新しいクルーに乾杯!!といい私を差し置いて飲んでいる。隣でキラーさんがため息をついた。

『キッド。ゆっくり考えろって今言ったよね?』

「…おーい、誰か酒ー。」

『逃げやがった!キラーさん!!』

「すまない。とりあえず飲むか?というか飲めるのか?」

『飲めるけど、そういう事じゃないです。なんでこんなに盛り上がってるんですか。』

「まぁ、名前がルーキーだし凄い奴が仲間になったというのと酒や宴に弱いんだ海賊は。楽しんだ方がいいぞ今は。」

『…まぁ、いいか。』

でも楽しいなんて。
(こういうのいいかも)




  
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