変わらない君のまま
純血家系に生まれてスリザリンに入ったにも関わらず彼女は純血とその他を差別しない、美しくて優しい女性だった。
親から期待という名のプレッシャーを受けていた私にとって常に堂々としていた彼女は憧れであった。そしてそれはいつしか恋する方の愛となって行っていて。
「アンドロメダ」
「あら、ファースト。卒業おめでとう」
「貴女こそ」
大好きなアンドロメダ。幼いころからずっと一緒で一緒に大人になってきた。
私はだいぶ変わったと思う。幼いころはあまり気にしなかったのに純血主義なのがはっきりしてきた。
でもアンドロメダは何も変わってなくて安心。
「アンドロメダは変わってないね」
「そう?」
「うん、昔から私の大好きな貴女のまま」
「ファーストも変わってないわよ」
にっこりと笑って言うアンドロメダが一瞬何を言ったか分からなかった。自分ではこんなにも変わったと思っているから。
「そんな疑いの眼差しで見ないで…本当よ?」
「え、でも…」
「本当よ、貴女だって変わってないわよ。私が大好きな貴女のまま」
その時、何かこらえていたものが溢れて視界がぼやけた。
「え、ファースト!?泣かないで…」
「ごめ…っでも」
嬉しかった、『変わってない』と言われたことにも『大好き』大好きと言われたことにも。
「ありがとう、大好き。アンドロメダ」
そしてさよなら。
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