春、待ちぼうけ | ナノ


  大事なことなので三回感じました。


昨日、三大魔法学校対抗試合の代表者が四人になった。うち二名がホグワーツ生ということで、ボーバトンやダム、ダーム…ストラング?ストロング?からの生徒は当然、ホグワーツ生も何名かが集まりちょっとした騒ぎになった。
私は代表になれなかったことを悔やむわけでもなく、反論する生徒たちに交わるのでもなく、頭の上にクエスチョンマークを浮かべるだけである。は、反論しないのは内容が色々カオス過ぎてついていけないとかじゃないから!

私が何に疑問を浮かべているかといえば、まあ、ハリー・ポッターについてだ。どうやって年齢線をこえたかという疑問ではなく、ホグワーツの学校名でいれていたら、ゴブレットはディゴリー?とかいうもう一人の代表と、ポッター含めたその他大勢と比べないのだろうか。
…えーっと、つまり、ホグワーツ生の筈なのになんで二人出た!?なんでうちとダムストロング?は一人なの!?ってことですよ。

これは大きな疑問だけど、でもよくよく考えたらちょっとワクワクしてきた。

「なんでベルがワクワクしているのかが分からない」

「予想外の展開って意外と楽しいわよ!」

隣では私より若干背の高いセオドールくんが小さい子供の奇行を見る目で私を見ているけれど、私は大人のお姉さんだから許す。

一昨日は図書館探しで迷子になっていた私を図書館へ連れていってくれ、昨日はボーバトンの馬車に行こうと迷子になっている私を馬車まで連れていってくれたセオドールくん。更に今は大広間に行くのに迷子になっていた私を大広間までつれていってくれてる最中だ。
友人に「年上としてのプライドはないの?」とか言われていたけれど、プライド位ある。ただ迷子になるのは年齢関係ないし、ホグワーツにいるのは遥かにセオドールくんの方が長いし〜。

さて、私たちの…というか私たちも会話の内容は主に三大魔法学校対抗試合の課題についてだ。第一の課題については、私たちだけでなく代表にすら伝わっていないらしい。
とはいえ、マダム・マクシームはフラーのため、ボーバトンのために何か手を打つだろうけどね。

「代表が四人になった分準備も大変よね〜…って、ホグワーツにとっては良いこと?」

「さあ。少なくともスリザリンは大体が反論しているな」

「え、同じホグワーツ生なのに?」

「考え方が色々違う」

「ふー…ん。ま、私はフラー応援するから関係ないけどね」

彼女と仲が良いかと言われれば、それほどでもないんだけど同じ学校の生徒だし!!なんなら応援団旗作ってずっとパタパタ振ってても良いわよ!?

「ウフフ〜、死と隣り合わせの競技って楽しみねー」

「二回目だけどベルが何でワクワクしているのか分からない」

勿論、自分自身が死と隣り合わせになったらワクワクなんてしない。あるのは恐怖だけだし、腰が抜けるかも。わー、ウケルー。
来年以降もあったとして、セオドールくんが出場したりとかしたら…ちょーっと、ワクワク出来そうにないかもしれないな。

「来年以降も三大魔法学校対抗試合あったらセオドールくん出たい?」

「命の危険はごめんだ」

つまりは参加しないということだろう。なら大丈夫だね!

「そういうベルは出たくて代表候補になったのか?」

「いやー…私も命の危険はごめんなので。罰ゲームでね」

ボーバトンだってホグワーツと同じで強制じゃない。けれど友人に宝探しでゲームを挑まれ、迷子になり、結果的に負けてしまい代表候補に立候補したわけだ。
よく考えれば方向音痴である私に宝探しでゲームを挑んできた時点で私の敗北は決まっていたようなもの。…どうして受けたんだっけー?

宝探しについて言えば、セオドールくんは私の肩に手をぽん、と置き、やれやれと溜め息を吐いた。

「あれ、年上に対する態度じゃないね!?」

「いや、年上とは思えない内容で…」

「私の方がお姉さんだよ!!」

「…そうだな」

再び、セオドールくんは小さい子供の奇行を見る目で私を見る。私の方が年上だってば!!
こうなったら私、アダルトベルさんになるよ!?大きくはない胸をはって、セクシーなポーズして、大人の色気出すよ!?

そんな私を、やっぱりセオドールくんは小さい子供の奇行を見る目で見るのだった。

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