エミルと共にマルタやテネブラエと合流するべく野営地に戻ると、そこにはハーフエルフの姉弟がいた。

「ジーニアス、リフィル」

「えっ、もしかしてクライサ!?」

「あなた、どうしてここにいるの?」

驚きを隠せない様子のセイジ姉弟に、またこの世界にいる理由を簡単に説明すると、リフィルに盛大な溜め息を吐かれた。そんな呆れた顔されても困る。飛ばされたのは不可抗力なのだから仕方ない。

「それで、二人はどうしてエミルたちと?」

「私はイセリアで彼らに会ったのよ。ロイドを追っていると聞いたから、同行させてもらっているの」

リフィルはロイドの担任教師だ。彼が変わってしまったのなら、自分が正しい道に戻してやらねばならない、と思ってのことらしい。
ジーニアスは旧トリエット跡でロイドを見かけ、追っていたところでエミルらに会ったのだそうだ。

「なーる。だからアイツ、トリエットにいたのか」

「あら、あなたもロイドに会ったの?」

「あなたもってことは、そっちも?」

「うん。コアを取りに来たみたいだよ。今回は取られなかったけど」

ジーニアスとリフィルがいても、ロイドは自身のしていることを何も打ち明けようとしなかった。姉弟に剣を向けることこそ無かったものの、彼の親友であるジーニアスにはそれだけでも十分なショックを与えただろう。
それにしても彼は、一体何のために動いているのだろうか。

「そういえばクライサ、ゼロスには会ったの?」

「?会ったけど、なんで?」

「なんでって……あなたがこちらに来たのなら、真っ先に会わなければならない人でしょう?」

「…………」

そうなのかもしれないが、そういう言い方をしないでほしい。目を輝かせたマルタが食い付いてきた。その横でエミルが信じられないといった顔をしている。ほらな。

「クライサって、ゼロスとそういう関係なの!?」

「そういうってどういう?」

「うそ……クライサってああいうのがタイプなんだ……」

「何その軽蔑したような目。それにタイプじゃないし」

「そうだよ。クライサは世界再生の後、なんとあのゼロスと同せ……」

テメェは黙っとけジーニアス

「痛い!!」

「(踵落とし!?)」

「(あれは痛い!!)」

確かに、ゼロスは唯一別れとも言えない別れをしてしまった相手だというのに、再会も感動的だったとはとても言えない。

「それに、今は軽く敵対しちゃってるしなぁ……」





後で面倒くさそうだ




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