新たに生まれた世界樹は、精霊マーテルに見守られ、ロイドによって『大樹カーラーン』でない新しい名前を付けられた。

「世界再生……か。本当にやっちゃうんだから、大したものだよね」

シルヴァラントとテセアラは一つの世界となり、誕生した世界樹が楔となってくれているおかげで大地が死滅することは避けられた。
とは言っても、別々に長い時間を歩んできた二つの世界が、元々そうだったとはいえ急に一つになったのだ。各地で起きている混乱を抑えるのが、ひとまずの課題だと言えるだろう。世界統合を果たしたからそれでめでたしめでたし、なんてことはないのだ。実際に動いた自分たちが、今後の世界のためにも働かなければならないのは当然と言えば当然である。

「落ち着くまでとは言ったものの…数ヶ月は残らにゃなんないかなぁ……」

晴れた空を見上げて呟いた。
再生された世界を見てみたいと思った。今、その世界にいる。まだまだ平和だとは言えないが、このドタバタが楽しいとも思えた。元の世界に帰りたい気持ちは変わらないが、もう暫くはここで仲間たちの手伝いをしていくか。その『暫く』がいつまでになるかはわからないが……と言うか帰れるのかどうかも不安になってきた。どうしよう。

「あ、おいクライサ!サボってないで手伝えよー」

「人手が足りないの!お願いしていい?」

「あーはいはい、今行くよー」

「クライサちゃーん、俺さま疲れたー」

「知るかボケ。馬車馬のように働きやがれチクショウめが」

「酷い!!」

ま、もう少しくらい、この英雄たちと一緒に新たな世界を楽しむのも悪くはないか。
仲間たちの笑顔の元へ向かうべく、空色を揺らす少女もまた笑みを浮かべて足を踏み出した。





ここがまた、スタートラインになるのだろう

旅は続く。君が望むなら、いつまでも






 -end- 


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