死闘の末、ミトスを破ったロイドは、彼のクルシスの輝石を破壊した。粉々になった欠片は光の帯となり、ロイドのエクスフィアに吸い込まれるように消えていった。
後味の悪い決着になったが、だからと言って他に方法が無かったことに変わりはない。世界のためを言い訳にしようが、己の目的のために一つの道を消し去ったのは事実だ。ここでもたもたしていたら全てが無駄になる。

エターナルソードの力で、二つの世界は元来そうであったように一つになった。しかし楔が無い。元々、世界は死滅を防ぐために二つに分けられていたのだ。一つに戻った世界を支えるにはマナが不足しているため、大地が滅ぶのを止めるためには、大いなる実りを発芽させ、目覚めた大樹を楔とする必要があった。

「頼むぞ、エターナルソード!」

離れ行くデリス・カーラーンのマナが実りを包む。しかしマナは弾き返されてしまった。大いなる実りが死んでしまっているのだ。
このままでは大樹を目覚めさせることが出来ないまま、デリス・カーラーンが遥か彼方へと離れていってしまう。そうなれば大地は死滅を免れない。今までやってきたことが無駄になってしまう。

その時、ロイドのエクスフィアが輝いたかと思えば、そこから溢れた光が彼を包みその背に大きな翼を生やした。まるで、ミトスが力を貸したかのように。
大いなる実りの元へと飛び立った彼を、コレットがピンクの羽をはばたかせて追う。二人でエターナルソードを握り、大いなる実りの発芽を願うロイドとコレット。仲間たちと一緒にそれを見守るクライサは、ふっと笑った。


「目覚めろ!大樹カーラーン!!」





世界樹が生まれ、世界は変わる




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