そんなわけでロイドは父との一騎討ちに勝利し、クラトスによってオリジンの封印は解かれた。体内マナの多くを失い倒れた彼は、しかしユアンにマナを分け与えられたことで命をとりとめた。よかったねクラトス」

「クライサはさっきから誰に説明してるの?」

「ほっとけよジーニアス。どうせ流されるだけだから」

「そして封印の解かれたオリジンに力を認めさせ、無事契約に成功しましたとさ。めでたしめでたし」

「ほらな」

「さすが秘奥義一発のみでオリジンを倒したクライサちゃん。オリジン若干ビビり気味だぜ」

これでアイオニトスをドワーフの技術で加工すれば、ロイドでもエターナルソードを扱えるようになれる。目的にまた一歩近付いたことに喜ぶ一同だったが、その時、ジーニアスが持っていたミトスのクルシスの輝石が彼の手を離れた。そしてロイドの身体を乗っ取ろうとした……の、だが。

「しぶといシスコンだねまったく」

「え、クライサ!?」

焦る仲間たちの中、特に慌てる素振りもなく少女が動いた。ロイドから輝石を剥ぎ取ると、

「ゼロスはいパース!」

「俺さま!?」

バスケ選手のごときナイスパスで、輝石は反射的に受け取ってしまったゼロスの元へ。今度は彼の身体を乗っ取りミトスは去ってしまう。

「ちくしょうミトスめ!よくもゼロスを!」

「……」

悔しそうに言うクライサに、コレット以外の全員が何とも言えない視線を送った。もちろん彼女は気にしない。

面倒くさがるクライサを引き摺って大急ぎでイセリアへ戻り、まだ回復していないアルテスタを頼るわけにはいかないからと、ダイクにアイオニトスの加工を依頼した。職人ダイクが見事に依頼を果たしてみせると、もう暫く休んでいこうよと渋るクライサを(略)一行はミトスとの決着をつけるため、崩れた救いの塔へと向かった。
エターナルソードの力を借り、乗り込んだのはデリス・カーラーン。しかし奥を目指していた彼らは、仕掛けられていた罠にかかり、ロイド以外の全員がウィルガイア中に飛ばされてしまった。

「うーん……」

クライサもまたしかり。ただでさえ初めて来る場所だってのに、なんで一人やねん。
とりあえず仲間との合流を目指しつつ、奥に続いていそうな道を探そうか。じっとしていてもしょうがない、と足を踏み出したクライサの前に、いくつかの人影が立ち塞がった。





白衣姿の彼らは、




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