「……ミーノス。」
「何です、ラダマンティス? 私は今、忙しいのですが。」
「携帯でメール打ってるヤツの、何処がどう忙しいのだ!」
「メールを打っているから忙しいのです。それくらい見て分かりませんかねぇ。」
「俺には分からんわっ! もう良い、それは良い! 問題はコレだ! 何故、お前が処理すべき書類が、俺のデスクの上に山積みになっている?!」
「貴方が好きそうな案件でしたので、好意でお譲りしたのです。良かったですね。嬉しいでしょう?」
「嬉しくなどないわっ! 自分でやれ、自分でっ!」


「それはそうとラダマンティス。貴方の妹さん、とても可愛らしい娘ですね。貴方と同じフワフワとした金髪が何とも……。」
「何っ?! 貴様、いつの間に妹と会ったのだ?!」
「ふっ。やはりアレは貴方の妹でしたか。そうではないかと思いましたが。」
「ぐっ! (しまった! カマを掛けられたのかっ?!)」
「まぁ、カマ掛ける必要もないですけどね。あの立派な繋がり眉毛、貴方の親族以外の何者でもありませんから。」


「そ、それで貴様、俺の妹に何をした!」
「まぁまぁ、落ち着いてください。まだ何もしてませんから。」
「ま、『まだ』だと!」
「昨日、道に迷っていたところを、貴方の屋敷まで送って差し上げただけですよ。心配は無用です。」
「無用な訳あるか。貴様が一緒だというだけで、寿命が百年は縮む。」
「そんな冗談を言っているより、あの子を見張ってなくて良いのですか? また昨日のように一人で出歩いて道に迷ったりしたら、それこそ好色な冥闘士達の玩具にされてしまいますよ。」
「貴様の玩具にされるより、千倍はマシだろう。」


「何を言っているのです。私は惚れた相手には、これ以上ない程、優しいのだと知らないのですか? 優しく優しく手取り足取り色々と教えて差し上げるのです。」
「何を教える気だ、この見せ掛けだけの鬼畜紳士が。」
「何って、ナニに決まっているでしょう。聞かなくたって分かっているクセに、このエロマンティスが。兎に角、私は貴方の妹さんに惚れました。これから、ガンガン攻めていく予定ですので宜しく。以上、報告終わり。」


「何を馬鹿な事を言っている! ふざけた事をほざくな!」
「ふざけてなどいません。本気も本気、大本気です。」
「正気か、貴様?! アレは眉毛が繋がっているのだぞ! そんな女が好きだと言うのか、お前は?!」
「人は見た目ではありません。貴方と同じで彼女の眉毛はチャームポイントみたいなものです。より愛しさが増すと言いますか、とても愛らしいと思いますよ、私は。」
「ミーノス、貴様……。俺が何を言おうと、退かぬ気か?」
「はい、勿論。彼女にベタ惚れですからね。という事ですので、以後、宜しくお願いしますよ、お兄様。」
「き、貴様に『お兄様』呼ばわりなどされたくもないわーー!!」



嘘だと言ってくれ!



エイプリルフール企画ページです。
この頁を含めて全3Pあります。

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