「良く眠れた?」
「アリナーを腕に抱いてぐっすり眠れる程、俺は鈍い男じゃないぞ。」


そう言って、アイオリアは私の後頭部に顔を埋め、チュッと音を立ててキスをする。
彼がこんなにも積極的で情熱的だなんて、昨夜までは考え付きもしなかった。
でも、それは嬉しい誤算と言って良い。
きっと皆が天蠍宮に残って飲み続けていなかったら、誰か一人でも一緒に下りてきていたなら、彼は私を誘ってはくれなかっただろう。


「そうなの? じゃあ、寝不足なんだ。」
「アリナーのせいだ。責任取ってもらおうか?」


アイオリアの奔放な唇は、私の黒髪を掻き分けて首筋へ。
鼻先で首から肩のラインを辿った後、じっくりと押し付けるように首筋へとキスの雨を降らせる。
彼の唇が触れる度、昨夜の余韻が残る身体はビクリと震え、その反応が嬉しいのか、何度もキスを繰り返すアイオリア。


「んっ……。責任って、どうやって?」
「そうだな……。」


その言葉を受けて、腰に回っていた腕が待ってましたとばかりに身体中を探り出した。
ホンのちょっとの刺激にも、敏感になった身体は大きく跳ね、その手から逃れようとすると、もう一方の腕でガッチリと捉えられる。


「ダメだぞ、アリナー。責任取るまでは逃さん。」
「や、だって……。ああっ!」


後ろから回された腕は遠慮なく私の深い部分へと向けて滑り落ち、仰け反った背筋には容赦なくアイオリアの唇が熱い烙印を押していく。
次々と与えられる刺激に、甘さの抜けきらない身体は直ぐにも彼を求めてしまい。
私は、唇から零れ出る吐息を堪える事など出来なかった。


「駄目……。あ、アイオリ、アぁ……、あっ!」
「何が駄目だって?」
「こんな……、んっ。もう、朝だ、し……。」
「構わん。まだ時間はたっぷりある。」


こんなにも親密な場所を探られては、抵抗も何も出来なくなる。
朝日が織り成すレースの斑模様が揺れる部屋で、軋むベッドと重なり合う私達。
窓から聞こえる鳥の声を掻き消して、私の上げる艶やかな声が響いては、満足そうにアイオリアが溜息を漏らした。


「俺の心を、こんなにも乱した、その責任。取ってもらうぞ、アリナー。」
「んっ……。あ、アイオ……、リアぁ……。」


彼の大きな手に遠慮なんて言葉はない。
何処までも私の身体を開かせて、必要以上に奥まで探って。
気が狂いそうなまでに私を追い込んで、激しく熱い情熱を引き出して。





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