これは、また何とも凄いな……。


音を立てないよう、そっと滑るように押し開けたシャワー室のドア。
中へと入った瞬間に目を見張る。
壁の一部がガラスになっているのだ。
丁度、人の身体と同じくらいの幅で、天井から足下まで。
シャワーを浴びながら、夜景を堪能出来るように設計されているという事か。
夜景の煌びやかな美しさに浸りながら、二人の世界へと沈み込む、そんなカップル向けの凝った演出。


だが、俺の目を奪ったのは、湯気に曇る空間の中から見る夜景の美しさではなく、その手前に見えているアンディの白い肢体だった。
俺が入ってきた事にも気付かず、夜景に見惚れているのだろう彼女の、こちらへと背を向けたその身体は、程良く引き締まり、程良く肉付きが良い。
ボディーシャンプーの泡に包まれた肌の白さ、滑らかさ。
そして、男心を擽ってやまない女性らしい身体のライン。
零れた吐息と共に、俺の中の男としての欲望がムクムクと頭をもたげる。


「……ひゃっ?! あ、アイオロス?!」
「綺麗だ、アンディ。」
「やだ、ちょっと! いつの間に入ってきてたの?!」


堪えきれずに背後から強く抱きしめた。
抱き締めれば、より強く刺激される、柔らかな身体と滑らかな肌の感触に。
そして、自分の中で抑え込んできた理性の枷が、一気に吹き飛んでしまうのだ。
アンディのこの身体を腕に抱いて、欲情しないなんて有り得ない話。
理性をあっさりと捨て去った俺は、驚く彼女を問答無用で抱き込んで、心の赴くままに遠慮なく手を滑らせた。


「や、アイオロス! そんなところ……、遠慮なさ、過ぎ……。」
「もう我慢出来ないんだ。あの寒さの中で、ずっと我慢してたから。」
「だからって、急に、こんな……、ん……。」


背後から探る、アンディのしなやかな身体。
何処をどう攻めれば良いかなんて、分かり過ぎるくらいに分かっている。
もう何度、この身体に溺れたのか、覚えていられない程に、夜毎、アンディを抱いてきたのだから。


「泡、流そうか。」
「あっ! ロス、止め……、んっ……。」


手を伸ばして触れる、冷たいシャワーノブ。
軽く上へと押し上げると同時に、熱いお湯の雨が降り注ぐ。
まだ冷えたままの俺の身体には、心地良い熱さだ。
だが、徐々に官能の花が開きつつあるアンディにとっては、打ち付けるシャワーの軽い刺激すら、身を震わせる快感になるようだった。


「肌が震えてる。感じてるのか、アンディ。」
「ち、違……。」
「違う? こんなに反応してるのに?」


片手で柔らかな腹部に円を描き、もう片手で敏感な彼女の奥深くをジックリと探る。
そして細かに震える首筋から耳たぶへと向けて舌を這わせれば、途端に跳ね上がる豊かな身体。
抵抗しても無駄だよ、アンディ。
キミの弱い箇所なんて、ほら、容易く蹂躙出来てしまう。
力を奪う事なんて簡単だ。


俺はアンディを攻める手を休めずに、シャワーヘッドに手を伸ばした。
聖域、いや、日本以外の場所では、固定式のシャワーしか知らなかった。
だからこそ、この取り外し出来る日本のシャワーを見て、何て素晴らしいアイディアだと感心したものだ。
そう、これは愛を交わし合う男女にとって、非常に魅惑的なアイテムだった。


「あ! や、駄目っ! そんな、事っ!」
「どうして? 気持ち良いだろう?」
「ん……、あっ!」


勢いを緩めて、アンディの敏感な箇所へとシャワーを押し当てた。
円を描きながら豊満な胸を、それから、その先端に狙いを定めて執拗に攻める。
案の定、アンディの身体は素直に反応し、ビクビクと震えながら、内側に咥え込んでいた俺の指をキツく締め上げた。





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