細かに打ち付けるシャワーは、それなりに力を持って、アンディの敏感な部分に当たる。
だが、決定的ではない、もどかしい刺激。
それが返って身体の奥の疼きを深めるのだろう。
彼女の唇から漏れる息が、短く苦しげに、それでいて艶めかしいものに変わっていく。


「見て、アンディ。」
「ん……。あ、ロス……。」
「俺達、あの光の海に飲まれてしまいそうだ。」


背後から抱き込んだまま、耳元に囁く。
今は俺の声にすら、ビクリと無防備に反応するアンディの身体。
そのくらい高められているのだ。
今、アンディが力なく両手を添えている壁は、例の縦長のガラス窓。
シャワーを浴びても曇らないように加工されているのか、見下ろす夜景だけがクリアに目の端に映っている。
すっかり真っ白な湯気に覆われてしまったシャワー室の中で、その一箇所だけが、妙に異質で目映かった。


「あの観覧車、まだ動いてる。もしかして、あっちから見えてるかな? 俺達がこんな事してる姿。」
「見え、ないわ、よ……、んっ。こういう、のは……、外から、見え、ないように……、あ、ああっ。なって、るんだか、ら……、あっ。」
「そう、それは残念。」


向こうからも見えてるんだったら、この夜景の中にいる人々全部に、俺達の愛し合っている姿、見せ付けてやろうと思ったのに。
こんなにも綺麗で淫らなアンディの肢体を、心ゆくまで味わっている俺を、羨ましげに眺めれば良い。
世界で一番幸せな愛の行為の目撃者になるチャンスを彼等は失ったという訳か。


「あ! そ、そこ、駄目! 駄目っ!」
「どうして? アンディの身体は凄く良いって言ってる。」
「ん、あっ……。」


胸の先端を攻めていたシャワーを、ゆっくりと下降させた。
弱い脇腹を掠め、腹部に何度か円を描くと、目的の場所へと滑り込ませる。
一段と高く跳ね上がる身体。
そして、艶を含んだ嬌声。
その重い吐息は、決定的ではないもどかしい刺激がアンディの内側を支配している事実を伝えている。


熱くうねる内側を探っていた指を抜き、その手で片膝を抱え上げた。
勿論、シャワーの刺激が当たり易いようにだ。
そして、一点に集中して当てていたシャワーの勢いを強めた。
「あっ!」と大きな喘ぎと共に、ビクッと身体が飛び跳ねる。
そこに更に動きを加えた。
僅かに離して、一気に近付けて。
それを何度も繰り返す。


「ふ、ううん……。あ、あ……。ろ、ロス、おかしく、なっ……、あっ!」
「俺が欲しいの、アンディ? もう我慢出来ない?」
「で、出来、ない……、ん! お、お願、い……、あっ!」
「分かった。満たして上げるよ、直ぐに。」


シャワーを止めずに元に戻すと、背後から片足を抱え込んだ姿勢のままで、アンディの深い場所へと押し入った。
予想以上の熱、そして、ギュッと締め上げ、絡み付いてくる得も言われぬ感触。
抵抗もなくスルリと受け入れたクセに、内側のこの熱さ、このキツさはどうだろう。
俺の細い理性など、簡単に手玉に取られて、プッツリと切れてしまう。


「あ、あ、ああっ!」
「凄い、アンディ。こんなにされたら、長く持ちそうにない。」


すぐさまラストスパートと同等の疾走に身を任せた。
手加減なしにアンディの中を動き、擦り、突き、目眩がするくらいに味わう。
世界が歪む程の快楽に飲まれて、視界の中でアンディの身体越しに広がる夜景が滲み、光の帯になって揺れ動いていた。


彼女が軽い絶頂を何度も繰り返し、その都度、俺の身体にもビリビリと痺れるような快感が襲う。
もうこれ以上、引き延ばすのは無理だ。
アンディの耳の縁を歯を立てて噛んだ。
刹那、ブルリと一つ、大きく身体を震わせた彼女の最奥を、細かに短く、それでいて執拗に突き攻めると、一段と大きな声を上げてアンディが全身をガクガクと震わせる。
それと同時、俺も熱くうねる中の締め上げに耐え切れず、天国にも昇りそうな快感に任せて、全てを解放していた。



欲しいものは、ただキミだけ



それから後も、ベッドで、床で、窓辺で、部屋のそこここで。
朝が来るまで何度も何度もアンディと抱き合い、愛を交わし合った。
キラキラと目映い光を放ちながら、回り続ける観覧車を、視界の隅に捉えながら……。



‐end‐





兄さん、事件です!
立ちバックです、EROいです!
シャワープレイです、兄さん病み付きになってますwww
久しぶりに(エ)ロス兄さんを書いたら、中々に難産でしたよ;

2013.01.08



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