本日のシュラ様は休日だった。
昨夜は何やら遅くまで夏休みの計画を立てていたらしく、彼がベッドに潜り込んで来た頃には、私はもう眠っていたのだけれど。
例によって、シュラ様がそのまま寝かせてくれる筈もなく、否応なく起こされた挙げ句、数度の行為を強要され、彼が満足するまで相手をさせられた。


お陰で私は寝不足だ。
なのに、シュラ様は普段と変わらず朝早くから起き出して、早朝トレーニングへと向かったのだから、黄金聖闘士の体力は凄いとしか言いようがない。


しかも、だ。
今日はどういう訳か、「出掛けてくる。」と言って、一人で出て行ってしまった。
外出の際は必ずといって良い程、私を同行させるのに、珍しい事もあるものだわ。
まあ、この暑さの中、四六時中あの大きな身体の人にくっ付かれていては、たまったものじゃない。
涼しく日中を過ごせると思えば良いのよ。


だけど、折角のお休みなのに、ちょっと寂しいような気もしないでもなくて。
シュラ様、何処に行っちゃったんだろうと、ついつい考えてしまう自分。


結局、私はいつもと変わりなく、家事に追われる一日を過ごした。
シュラ様がいれば、私ものんびりお休みするのだけど、彼がいないのならばボンヤリしていても仕方ない。
そうこうしている内に時間は経ち、夕方になってやっとシュラ様が戻って来た。


「ただいま、アンヌ。」
「お帰りなさいませ、シュラ様。市街に買い物に行ってらしたのですか?」
「ああ。来週には夏期休暇を貰っているからな。必要なものを色々と取り揃えてきた。」
「えっ?!」


初耳です、シュラ様。
夏期休暇を取ったなんて話、私、聞いていませんけど?


「昨日、言わなかったか?」
「休暇の話は聞いてません。海に行くか? とは、仰ってましたけど。」


そういえば、昨夜のシュラ様。
海などに行けば死んでしまいますと告げたら、何やら考え込んでいた。
バカンスの予定を立てているとは知っていたけど、まさか、こんなに直ぐ近く、来週の話だとは思っていなかった。
知っていたなら、私も一緒に市街に出掛けて、必要な買い物をしたのに。


「安心しろ。アンヌの分も、俺が一式、ちゃんと買ってきてやった。」
「は?」


安心しろって、その言葉の意味が分かりませんけど、私!
一体、シュラ様、私の何を買ってきたっていうんですか?


「まあ、こんなところだな。」
「シュラ様、あの、これ……。」

彼が持って帰ってきた幾つもの紙袋。
テーブルの上に広げた、その中身を見て、私は額から大汗を噴き出していた。





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