沙織:「さぁ、サクサクと進めましょう。二十一問目です。初めての出会いはいつ、何処でですか? これは私が良く知っていますわ。」
山羊:「アテナが取り持った縁とも言えるしな。」
飛鳥:「沙織さんがいなければ、シュラと出会えなかったものね。」
沙織:「お二人の出会いは、パリにあるグラード財団系列のホテル、そこのティーサロンで新たに雇う専属パティシエの最終選考の場でしたわね。審査会場での私の護衛として同行したのがシュラでした。スイーツ好きだと聞いて、折角の機会ですからとシュラを護衛に指名したのですわ。」
山羊:「俺は審査には無関係だったが、審査用の菓子の試食には加わっていた。」
飛鳥:「私はパリにお店を出す夢の第一歩として、その最終審査を受けに来ていて、そこでシュラと初めて会ったの。」


沙織:「次に行きましょう、二十二問目です。その時の相手の第一印象を教えてください。」
山羊:「飛鳥の作ったケーキを一口、食った瞬間、俺の世界が変わったと感じた。直後、それを作ったというパティシエ本人を紹介されて……。華奢で愛らしい飛鳥の姿を見た刹那に、その世界が更に花畑になったというか、薔薇色になった気がした。まぁ、ハッキリ言うと一目惚れだな。」
飛鳥:「とても格好良いのに、目付きが怖くて近寄り難い人が居るなと、遠目で見た時は感じたかな。で、私のケーキを食べ始めたから、近付いていってみたら、真剣にケーキと向き合っていて、しかも、顔は無表情なのに全身が美味しいって言っているのが分かって。こんなに美味しそうに頬張っている人は初めてで、凄く興味が湧いたの、この人について、もっと知りたいって思ったわ。」


沙織:「では、二十三問目ですわ。その後、印象は変わりましたか?」
山羊:「細くて愛らしい割には、意外と頑固で融通が効かない事がある、特にスイーツが絡む事については。それは一緒に住むようになって分かった事だ。」
飛鳥:「出会ったあの日に、熱烈な求愛を受けたから、いかにもラテン系の愛情表現をする人だと思っていたのに……。実際は、他人の目があると吃驚する程に冷たいというか、硬派な人になるんだから、最初の頃は第一印象に騙されたなぁって思ってたよ。それで、頻繁にディーテに愚痴を聞いてもらっていたの。」


沙織:「次は聞くまでもないかもですわね。二十四問目です。相手を好きになったきっかけなどを教えてください。」
山羊:「一目惚れだ。」
飛鳥:「私も一目惚れって事になるのかなぁ。」


沙織:「お互い一目惚れですのね。では、二十五問目です。出会ってから付き合うまで、どれくらい掛かりましたか?」
山羊:「それは……。その日の内にデート、というか、ディナーに誘ったからな。」
飛鳥:「その後、上手い事、部屋にも誘われましたし……。」
山羊:「そのまま押し倒して……、今に到るという訳だが……(ゴニョゴニョ)」


沙織:「二十六問目ですわ。告白はどちらからですか? 告白した時の様子を教えてください。」
飛鳥:「言ってしまうと、告白よりも、押し倒された方が先だったので……。」
山羊:「告白と言うよりも、説得に近かった。朝まで共に過ごし、飛鳥と離れる事など出来んと思ってしまったが故に、自分の立場・身分・聖域の事・聖闘士の事、全てを話して、飛鳥に断れないよう巧みに話を進めた。」
飛鳥:「ほぼ考える余地はなかったです。何が何だか理解出来ない内に、話が進んでいっちゃったし。」


沙織:「では、二十七問目。告白されてなんと答えましたか? どう思いましたか?」
山羊:「告白シリーズが続くな。」
沙織:「まだまだ続きますわよ。」
飛鳥:「えーと……。シュラが色々と激しくて、ポーッとしている間に、話が何やら進んでしまったので、正直、余り良く覚えてないというか……。でも、嬉しかったのは確かです。」


沙織:「まだまだ告白シリーズです。二十八問目。今、改めて告白するとしたら、どんなシチュエーションで何と言いたいですか?」
山羊:「そうだな。落ち着いた場所で、飛鳥とちゃんと向き合って、自分の気持ちを伝えたいと思う。」
飛鳥:「ベッドの中で、あっという間に話が進んじゃうのは、もう勘弁かな。」


沙織:「次は二十八問目の続きですわ。二十九問目は、それを聞いてどう答えようと思いましたか?」
山羊:「俺が告白したとして、飛鳥がどう答えるか、という事か?」
沙織:「えぇ、そうです。」
飛鳥:「当然、嬉しくて、私も好きって即答すると思う。付き合ってくれでも、同棲してくれでも、その場でOKするわ。」
山羊:「飛鳥……(照)」


沙織:「次の質問は、答えを聞くまでもないですわね。三十問目です。人前で相手の事を好きだとオープンに言えますか?」
山羊:「絶対に言えん! 無理に決まっている!」
飛鳥:「私は平気で言えるけど、シュラにはハードル高いかも。でも、いつかは言って欲しいなぁ。」
沙織:「女性としては、堂々と愛の告白を受けたいですわよね。これこそ女性の夢ですわ。」
飛鳥:「シュラには一生、望めないけど。夢は夢、現実は現実。」
山羊:「ど、努力は……、してみるが……。クッ……。」





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