闇のリズム的にゃんぱにな新騒動47
2022/02/02 01:35


「デスマスク様。」
「あ?」
「カプリコちゃんを何とかしてください。」
「なンで、俺が?」


何もしないでゴロゴロしているだけだったら、ココに居る意味がないですから。
せめて、猫ちゃん達の事はデスマスク様が責任を持ってやってくださらないと。


「知らねぇなぁ。さっきも言ったが、俺の役目はソイツ等の監視。本物の猫の事は知ったこっちゃねぇよ。」
「アイオリア様が猫ちゃんの姿になってしまっているのですから、アイオリア様の飼っている猫ちゃんの事も、デスマスク様のお仕事の範疇なのでは?」
「だから、知らねぇって。」


それ、立派なお仕事放棄ですよね?
今の会話、サガ様かアイオロス様が聞いたら、絶対に怒ると思いますけど。
特にアイオロス様、笑顔で追い駆けてきそうで怖いです。
夢に出てきそうですよね、笑顔の全力疾走で背後から迫ってくるアイオロス様。
録音しておけば良かったです、さっきのお言葉を。


「職務怠慢として報告しても宜しいのですか?」
「職務怠慢じゃねぇって。」
「職務怠慢ですよ。だって、何もしないでゴロゴロしているだけなんですか……、ひゃっ!」


デスマスク様との言い合いに熱が入り過ぎたせいで、すっかり他への集中が途切れてしまっていたらしい。
再び感じた、足首への何かが触れた感覚に、思わず悲鳴が零れた。
慌ててテーブルの下を覗き込むと、黒猫ちゃんとモフ猫ちゃんが、私の足首に纏わりついて、顔をスリスリと擦り付けている。
カプリコちゃんはテーブルの上を占拠したままだから、この猫ちゃんは、シュラ様とアイオリア様だ。


「いつの間に……。ソファーの上でグッスリ寝てたじゃないですか……。」
「ミャーン。」
「ミミー。」
「オマエが悶絶してる姿を見て、自分達もヤりたくなったンだろ。」


その言い方、止めてください、デスマスク様。
とっても卑猥に聞こえますから。
ニヤニヤ笑いながらだと、余計に卑猥です。


「オマエの耳がおかしいンだろ。俺は普通に言ってるだけだぜ、普通に。」
「兎に角! この猫ちゃん達を何とかしてください!」


今、私の足首をスリスリ攻撃しているのは、シュラ様とアイオリア様だ。
カプリコちゃんはデスマスク様がお世話する範囲に入らないとしても、こちらの二人(二匹)の事には責任がありますよね!
これでも「知らない。」なんて言ったら、今度こそ正真正銘の職務怠慢ですよ!


「分かった、分かったって。そうカリカリすンな。ほーら、コッチ来い、エロ猫共。」
「ミギャー!」
「キシャー!」
「暴れンな、エロ猫一号・二号。アンヌは忙しいらしいから、邪魔すンな。」
「ギニャー!」


首根っこを掴まれて、無理矢理に引き剥がされた猫ちゃん二匹。
デスマスク様の右手と左手からブラーンと吊るされながら、怒りと抗議の鳴き声を上げている。
相変わらずの光景ですね、呆れ顔のデスマスク様と暴れる二匹の猫ちゃんの図。
それよりも、何ですか、その呼び方は?
そっちの方が気になるのですが。


「そのままだろ。エロい猫だから、エロ猫。二匹いるから、一号と二号。分かり易いねぇ。」
「分かり易いとか、そういう問題では……。」
「ほーれ、エロ猫。コッチだ、コッチ。」


遊び始めてしまった……。
それまで怒りの声を上げていた事も忘れて、デスマスク様にけしかけられたネズミの玩具に、すっかり夢中になって飛び掛かっている猫ちゃん達を見ながら、私は深い溜息を一つ、零したのだった。


(つづく)


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