酒豪に分類されるんだけど

頭の奥がガンガンと鳴っている。おまけにぐるぐると回っていてどこが上なのか分からない。昨日は…セフィロスの勧めるまま飲んでしまい、途中からの記憶がない。
「っつ、……っ!」
ぐるりと見回して思わず息を飲む。目の前に溢れる銀の光。そして端正な顔。鼻と鼻がくっつきそうな距離にセフィロスがいる。どうやら潰れたところをベッドに運ばれたようだが、当のセフィロスもそこで力尽きたようだ。
それにしてもこの状況は心臓に悪い。大分親しくなったとはいえ、憧れの人だ。泊めて貰っただけで畏れ多いのに、同じベッドで眠るなど教授と学生の域を越えているような気がする。クラウドはセフィロスの顔をまじまじと見た。綺麗だな。翡翠の瞳が見えなくてもこんなに近くにいるのだと思うと緊張する。もぞもぞと距離を開ける。近くで見ていたいのは山々だが、セフィロスが目を覚ました時を考えると気まずい。
「煩い、動くな」
「…はい」
だがセフィロスにがっちりと抱き込まれ身動きが取れなくなってしまった。いつの間に起きたのだろう。顔を覗きこんでいたのを知られたのだろうか。一人であれこれ考えていると半分寝言のような声が聞こえた。
「もう少し、寝かせろ」
そして規則的な寝息を立てて寝入るセフィロスにクラウドはほっと息をついた。安心と同時に睡魔に襲われる。とろんとした目をもう一度セフィロスに向けてから目を閉じた。今日は土曜日、少しくらいの寝坊は許されるだろう。

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