衝撃inオープンキャンパス

『スコール!』

ティーダが一人の青年に駆け寄って行った。

『イケメンだなぁ〜』
『あれはスコール。俺らの友達で、ティーダとタメだぜ』

ジタンの問いにバッツは答える。

『俳優でもあんな恵まれた容姿なやつってなかなかいないぜ』

俺も身長低いしさぁ、とジタン。
まだ自分が俳優だとは明かしていないが、素直な感想が漏れでてしまった。

『しかもあいつ嫌味かってぐらい頭も良くてさ!新入生代表の挨拶とかしたんだぜぇっ…てぇぇぇ!』

したんだぜ、のタイミングで、スコールはティーダから奪ったサッカーボールをバッツの顔面に投げ飛ばしていた。

『蜂が跳んでいた』
『いねぇよ!いきなり何すんだよ!』
『この前の仕返しだ』
『この前…?ってやっぱ蜂いねぇんじゃん!』

ああだこうだ言いつつも、二人の雰囲気は和やかなもので、ジタンは呆気にとられていた。

『気にしなくていいっスよ!あの二人、いつもあぁなんスよね』
『そうなんだ…毎日楽しそうだな』
『楽しいっスよ!来年からジタンもきたらもっと楽しくなるっス!』

屈託のない笑みで言うティーダに、ジタンもなんだか嬉しくなり、真剣にこの大学にしようかと思い始めていた。
そして、バッツとスコールの会話を聞いていたティーダが疑問を尋ねた。

『この前の仕返しって、バッツ何やったんスか?』
『あぁ〜まぁ、クラウド絡み』
『クラウドに何かしたんスか?!』

苦笑いするバッツ。
今度はティーダがバッツに掴みかかる勢いだった。

『クラウドを泣かせたらバッツでも…もちろんスコールでも承知しないから』
『わぁかってるって!泣かせてない!誓う!スコールに無理させんなって言っただけだからさ』
『……ふん』

三人のやり取りを聞いて、ジタンが叫び声をあげた。

『ちょ!絶世の美女とスコールってできてんの?!』

『…誰だ?』
『遅っ!今そのタイミングおかしくね?』
『ジタンっス!今日オープンキャンパスだって』

今更ながら、スコールとジタンはバッツとティーダに紹介されていた。

『ところで』
『なんだよスコール』
『お前ら何かしたのか?』
『どういう意味っスか?』
『後ろを見ろ』

スコールに言われ、後ろを見た3人は、こちらに向けられる大量の視線に今気づいた。

『うわっ!なんだ?!』

バッツが驚き、

『どうなってるっスか?!』

ティーダが驚き、

『あー…』

ジタンが呟き、

『……』

スコールが不機嫌になった。
女の子達の熱い視線は、一人に注がれる。それはいつもならスコールに集まる視線だが、今日は違った。

『なんか、ジタンを見てるっスよね?』
『確かになぁ。あ、ちょ、スコールどこ行くんだ?』

元々注目されたりするのを嫌うスコールは、その場を去ろうとしてバッツに呼び止められた。

『…クラウドのところ。今クジャのとこにいるらしい』
『あークジャ先生もクラウド気に入ってるみたいだしな。クラウドによろしくな!』
『あぁ、またな』

そう言ってバッツ達に背を向けようとしたスコールの背を、掴む腕があった。

『…今、クジャって言った?』

ジタンだった。

『?あぁ』
『あいつレディには興味なさそうにしてるのに絶世の美女をお気に入りにしてるって…?!』
『は?』

言われたスコールは呆気にとられ、聞いていたバッツは忘れてた、と。
『ジタン!クラウドは女じゃなくて男だ!』
『………は?』

ジタンの指はスコールの服を掴んだまま。

『悪い!訂正するの忘れてた!』
『性別なんて関係ないんスよ!クラウドはクラウドっスから!』

バッツとティーダが言う言葉を、フリーズしたジタンは少し時間をかけて理解した。

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