センター試験ニ日目終了

センター試験2日目も、滞りなく終了した。
スコールはゆっくりとした動作で、筆記具などを片付ける。
その後ろでティーダが、
『もうダメっス』
『ヤバすぎるっス』
『自己採点とかそういう問題じゃないっス』
とか言っていたけれど、気の毒なやつ、とは思ったが正直スコールには関係なかった。
どうせならこの場にいる全員失敗すればいい。
クラウドにたかる悪い虫はいない方がいい。
今朝は少し申し訳ないと思ったが、試験会場である大学についてみれば、スコールの機嫌がみるみる悪くなった。
クラウドの登場を待つ人間の群れがあまりにもすごく、大事なセンターにも関わらず、ラブレターを渡す者のやメアドを聞き出そうとする者、挙げ句に写メまでとろうとする者まででてきて、大学は一時騒然としていた。
しかし、クラウドはそんな中、ただスコールに、頑張れよ、と微笑みかけた。
その瞬間、その場にいた人間は顔を朱くしたり、股間を抑えたり、声を上げたりしたが、スコールにはどうでもよくなった。
こんな場面でも、クラウドは自分を思ってくれている。それが嬉しかった。
愛されている、という自信がスコールにはあった。
自分もクラウドも、決して感情豊かな人間ではないし、それが人前ならばなおのこと。気を許している相手でなければ自分を出さない二人であるが、昨夜のことを思い出せば、いかに自分がクラウドに愛されているかということを再認識できた。
しかしあまりにもクラウドへの集中が凄く、スコールもイライラが頂点に達しそうだったとき、大学教授らしき人物がその場を制した。

『浮足立っている人間は即刻帰れ』

その教授の眼があまりにも鋭く、声があまりにも氷のように冷たく、また物凄い威厳を持っていたため、その一言で場は正常に帰した。
銀の長い髪をなびかせ、翡翠の瞳の教授は、スコールを見つけると、フッと不敵に笑い、クラウドに何かを言って去って行った。
クラウドはスコールに再度微笑むと、試験監督業務に専念した。
スコールも試験の準備をした。
あの教授こそが、クラウドが憧れている教授であり、毎日のようにクラウドにセクハラをしている人物だとは、今のスコールは知らなかった。

試験中も、時間をかなり余らせて答案を完成させたスコールの頭の中を占めたのは、昨夜のクラウドとの、あの行為のこと。艶めく身体に、なまめかしい声に、熱を帯びたクラウド。
思い返せば、自然とスコールの身体も熱を帯び始めた。
今日でセンター試験は終わる。昨夜はまだ1日目だったこともあり加減していたが、今夜はご褒美をもらおうとスコールは心に決めていた。

こうして今センター試験が2日とも無事に終了し、スコールは新たな目標を胸に、門でクラウドを待っていることにした。


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