まだセンター試験一日目…の夜

『っ…ん、ん』

くぐもった声が暗闇に響く。
勢いよくマンションの玄関を開けて、クラウドと中に入ったスコールは、繋いでいた手はそのまま、扉を閉めると同時にクラウドを玄関扉に押し付けて無理矢理唇を奪っていた。

『ぁ…、ま』
『待てない』

二人はまだ帰ってきた時のままで玄関に立ったままだ。
ドア一枚隔ててはいるが、すぐそこは外。ドアにロックすらしていなかった。
スコールはそんなことなどどうでもいいようで、クラウドの唇を己のそれで尚も堪能する。角度を変え、スコールの舌が何度もクラウドの舌を絡めとる。息つぎする暇ももどかしほど、スコールはクラウドを感じたかった。

『んん…』

クラウドが酸素を求めて、無意識に顔を逸らした。
スコールはようやくそこでクラウドを解放したが、すぐさまクラウドの首すじにかじりついた。

『いっ…す、こ』
『色気をふりまくアンタが悪い』
『ふり、まいてなんか…ひぁっ…!』

スコールの唇はクラウドの首からそのまま上に移動し、ぺろりも耳を舐め上げた。首から耳のこの場所は、クラウドの弱い場所の一つで、途端にクラウドの身体から力が抜け落ちる。

『ゃ…ん、』
『いい、の間違いだろ?』

くちゅりと耳を口に含まれて、水音を立てながら囁くスコールの声に、クラウドの身体はぞくりと反応する。
唇が、耳が、繋いだ手が、スコールが触れる場所すべてが、じんじんと熱を帯びる。その熱さとは裏腹に背中に感じる冷たさに、クラウドは理性を取り戻しかけた。

『ん…っ、まだ玄関…あっ』
『ベッドならいいのか?』

スコールはそういうと、素早くドアに鍵をかけ、クラウドの腕を引っ張り、寝室へと連れていく。
途中鞄や手にしていたものは全部廊下に落として。
寝室のドアを開け、スコールはクラウドをベッドに、やや乱暴に押し倒した。

『っ…』

ギシリと二人分の重みを受け止めたスプリングが音を立てた。
クラウドが体勢を整えるまでに、スコールはコートを脱いで、クラウドに覆いかぶさった。

『スコール…』

クラウドの瞳が捉えたスコールは、夜の男の顔をしていて、クラウドは無意識にゴクと喉をならした。

『誘ってるのか?』

少し口角を上げて、笑うスコール。

『っ、ちが、あっ!』

否定する前に、服の上から熱を持ちはじめていた中心をやんわりと触られて、思わず声があがった。
可愛い、とスコールは思う。そしてクラウドのコート、背広、シャツを早急に脱がしたら、ほどいたネクタイで、頭上でクラウドの腕をひと括りにした。
髪へ、額へ、鼻へ、口へのキス、そしてスコールの唇はそのまま移動し耳孔に舌をいれる。

『ふ、っ…んっ…』

クラウドの鼻にかかった声は、本当に色っぽい。そんなことを思いながら、スコールは耳への愛撫を続けたまま、器用にシャツのボタンを外して、現れたその滑らかな肌に手を這わせた。

『ん、あ…』

スコールの唇が白い肌に花を咲かせるように降りていく。首に、肩に、そして胸へ。片方は口で、もう片方を手で胸の突起を弄る。

『あぁ…っ!』

撫でられて、舐められて。潰されて、吸われて。
摘まれて、噛まれて。
それを両方同時にされ、クラウドは眼を閉じて唇を噛み締めた。

『んんっん…ぁ』
『噛むな、傷つく』

スコールの指に唇を撫でられ、眼を開けた瞬間、

『ひっ』

白く透き通ったクラウドの身体を俯せに返し、残った衣服を剥ぎ取った。そして膝を立たせ、四つん這いに格好にさせた。

『やっ…!』

体勢を変えようとする前に、スコールはクラウドに覆いかり、傷ひとつない背中にも唇を落としていく。下へ下へと進むそれに、クラウドは身じろぐ。

『く…ん、』

ちゅ、ちゅ、とリップ音とちくりとする軽い痛みに、頭が麻痺していく。
けれど、スコールの唇が進む先を察したクラウドは、僅かに身体を強張らせて息を詰めた。

『す、ま、ぁぁっ…!』

スコールの唇はそのまま柔らかい肉の谷間に舌を滑らせて、小さな窄まりまで辿り着くと、スコールは少しだけ舌に力を込めた。
そこはくちゅ、と控えめに音を立てて、スコールの舌を拒むように強張ったが、スコールはそれを宥めながら繊細な粘膜をゆっくりと溶かしていった。

『は、ぁあ、や、だ…』

スコールを止めようにも、腕は括られており、ただ身体を揺することしかできない。羞恥と快楽がクラウドを襲い、クラウドはでシーツに頬を擦り付けて熱の篭った息を吐いた。

『く……ん、あ、んっ』

少しずつ柔らかくなっていく窄まりに、ぬ、と舌を捩込むと途端にきゅ、と締まってスコールの舌を甘く食んだ。それを繰り返すうちにそこがぐずぐずに溶けて、先を求めて、強張って、スコールを誘った。

『そんなに気持ちよかったか?触ってないのに硬くなってる』

ほら、と手を前に滑らせれば、クラウドの性器は素直に快感を示した。

『あぁぁっ!』

ピンっとそれを弾けば、先走りがぽたりと垂れた。
目許を朱くして、睨んでくるクラウド。その顔がスコールの欲望を駆り立てることを彼はわかっていない。今まで幾度となくこの行為をしてきたが、毎回クラウドの仕種や表情、声にスコールは欲情し、慣れることはない。
(っ…反則だろ、その顔は)
スコールは自分を抑え、再度クラウドの窄まりに舌を這わせた。慣らさなければ、辛いのはクラウドだ。
舌を抜き、己の指を唾液で濡らして、窄まりに入れた。

『ああぁっンん』

クラウドのそこはスコールの指を奥へ奥へと誘い込み、スコールの指をくわえたそこは次第にいやらしく音を立て始めた。

『あ、ぁあ…、やぁ…っく、はっ、あ…』
『…もう少し』

中で指をくの字に曲げれば、クラウドの弱いところをついた。

『あぁぁぁっ!』

きゅぅとクラウドの中が指を締め付ける。

『イって』

スコールが耳元で囁き、2本だった指を3本に増やして、もう一度同じところを攻めればクラウドからあられもない嬌声があがった。

『ひぃあぁぁぁぁっ…!』

途端、ぽたたっとクラウドの熱がシーツに放たれた。
はぁはぁとクラウドの息が乱れる。スコールは身につけていた衣服を脱ぎ、クラウドに息を整える暇さえあたえずに、はクラウドのぐずぐずに濡れた蕾に自身を宛がいゆっくりゆっくりと飲み込ませていった。

『んっ!あ、あ…はっ…』

イった直後に強すぎる刺激がクラウドを襲った。

『ほら、もう全部飲み込まれた。わかるか?』

そう言いながらスコールが腰を大きくグラインドさせる。

『あぁっ!あ、ゃあっ』
『っ…こんなにくわえ込んで、いやらしいな』

繋がっている場所を指でなぞられて、肌が粟立った。そんな羞恥を煽る言葉も愛撫もクラウドの頭には快感をさざめかせる火種にしかならなかった。

『あ、あ、あっ…は』

徐々に激しくなる抽挿に思考ごと揺らされて、ぐらぐら揺れて、まわってわけが分からなくなる。
それでも、

『あ、ぁあ…っす、すこ』
『?どうした』
『う、腕…っは、はずして』
『え?』
『す、こーるに、くン、さわりたい』

スコールの動作が停止する。

『ぁ、すこーるの、かお、ちゃんとみたい』

艶っぽい声で名を呼ばれ、潤んだ瞳で見上げられ、スコールの熱はその瞬間に爆ぜる寸前であったが、そこは堪えたけれど、クラウドのこれにはかなりくるものがあった。
スコールはクラウドの腕を戒めていたネクタイをほどき、繋がったままクラウドの身体を反転させた。

『ひゃあぁぁっ』

そのままクラウドの最奥をガンガンとついた。

『や、ぁあぁぁっ…!』
『く…っ』

ぎりぎりまで抜いては、最奥を目指し、クラウドの身体を揺さぶる。
衝撃に堪えようと、クラウドは眼をつむっていたが、まぶたにキスを落とされて、開いてみれば、そこには限界が近いだろうスコールがいた。

『クラウド』

激しい行為にも関わらず優しく囁かれ、クラウドもスコールと呼んだ。

『ちゃんと見ててくれ。俺を、俺に抱かれてるのを』

そうしてスコールはさらに抽挿を早め、追い立てた。

『ぃぁあぁぁぁああっ!』
『…っ!』

クラウドはスコールの背中に腕をまわして大きくのけ反り、熱を放って意識を手放した。
スコールもクラウドの最奥で熱を放ち、しばらく余韻に浸っていた。

(やばい、よな…)
(明日もあるのに)
(とりあえず、寝るか)

起きたらシャワーに入ればいいかと簡単に処理を済ませて、クラウドを寝かし隣に横になった。






明け方頃、目覚めたクラウドに、センター試験まだあるだろ!とか、シャワー浴びてからじゃないとあれは嫌だって言ってるのに!とか、縛るなんてスコールのむっつり!とか言われても、おかげで試験なら余裕だとか、良い匂いさせてるクラウドが悪いとか、今度は目隠しにするか?とか反省してないスコール。
クラウドが投げつけた枕をキャッチし、クラウドに抱き着く。

『だってクラウドが好きなんだ』

そう言われてしまったら最後、クラウドはスコールを憎めなくなってしまう。
もうこうなったらお風呂にはいって、身体は怠いからスコールに洗わせよう、お腹すいたからスコールに何か作らせよう、そんな事を思いながらクラウドはスコールのキスを受け入れた。

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