一日目終了

『スコ!待ってってば!』
センターの帰り、ティーダはスコールを追いかけていた。身長はそこまで変わらないはずなのに、何故かコンパスが大分違う気がする。それはスコールの足が長いからなのかはたまた己の足が短いからか…と考えてやめた。自分にとっては鍛えた足だ。
『…うるさい。答えは明日新聞に出るだろ』
『違う違う!そうじゃなくて!あのさ、あの、あの人と知り合いっスか?』
『……どの人だ?』
スコールは歩みを止め、近くを歩いている人間を見てみたが、知り合いはいなかった。
『生徒じゃなくて!ほらあれ!試験の紙配ってた金髪のツンツンのメガネの!』
試験の紙…
その発言を聞いてスコールはこいつはダメだな、と思ったが口にしなかった。
『だったら?』
きっとティーダが言っているのは、自分の応援の為に試験監督になってくれたクラウドのことだろう。
『なんか他のやつらに比べてスコールには優しかったってか…いい匂いがしたっていうか…』
いい匂い…
その発言を聞いてスコールはまた危険因子が増えてしまった、と思った。
クラウドの行動は素直に嬉しかった。しかし、試験を終える度の休み時間、教室での



話題はだいたいがメガネの金髪麗人についてだった。ほぅとため息を吐く者、見惚れるあまり試験が始まったことにも気づかない者、メアドを聞き出そうとする者…段々とムカついてきた。クラウドは俺のなのに、と。
『ここの試験監督でいるぐらいだから、たぶんこの大学の関係者っスよね』
『…ティーダ、』
『スコールも探さないっスか?』
『ティーダ、悪いが…あいつはやらない』
『…は?』
スコールはティーダにそう言うと止めていた歩みを進めだし、携帯片手に足早に帰って行った。
『?変なスコール…この大学の関係者…あぁー!親父に聞くなんてできねー!』
でも諦めないっス!
ティーダは拳を空に突き出した。

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