今回の製品は、
トンボモノワンに似ているけれど異なるもの、偽物でも贋物でもないいわゆる似非物。
あちらより更に小さく単純な回転繰出式消しゴムです。日本製。
消しゴムはおそらくスチレン系合成ゴムで硬いながらも消字力は良好、この種のものとしては消し滓がまとまるほうです。
口紅のように軸を回してφ6.7mmの棒状消しゴムを出入れしますが、いっぱいまで出しても(最前進させても)12mm強が軸内に残って使いきれません。
また最前進位置では消しゴムが外し難くなるため、短くなりすぎないうちに交換する必要があります。
左側が最前進位置でこれ以上回せません。
しかし、ここで消しゴムを抜き取ると、消しゴムを挟んでいるツメも引き出されてしまいます。
新たに消しゴムを差し込むには、ツメを押し戻し、逆回転させて後退、それから差し込みます。
モノワンは最前進させるとツメが開く仕掛けになっており、このような手間はかかりません。
回転はモノワンに比べ重く、滑り止め効果が高いべたべたしたゴムグリップが取り付けられていますが、隣に並べたモノワンのゴムグリップが黒ずんでいることから察せられるように、それは汚れが蓄積されやすいことでもあるので、地の素材そのままでも良かったのではないでしょうか。
抗菌仕様が流行った国でゴムグリップが流行るのは考えてみると奇妙ですね。
尾栓形状はモノワンをコピー。紐通し穴が大きくなっています。クリップでも追加してくれればよかったのですが。
紐で何かとつなげるということは拘束することでもあるため、取り回しにくくなります。
だからなのかはわかりませんが、本品は中身を外すことができ、これだけでも機能します。
同じ仕組みのノックボタンを持つシャーペンがあり、入れ替えられます。つまり、シャーペンの一部を流用して製品化したんですな。
もともと製造業ではなく販売業である無印良品は、既製品を簡素化して再商品化するブランドですが、今回はどんな理由かモノワンと並行進化したような製品になり、そしてφ6.7繰出消しゴム最小サイズになっています。
| コンパクトスティック 消しゴム | トンボモノワン |
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消しゴムの大きさ | φ6.7×37mm | φ6.7×50mm |
全長 | 62mm | 74.2mm |
繰出量 | 5mm/回転 | 4mm/回転 |
重量 | 7g | 9g |