パイロット ジュースの改良発展型。2016年8月発売、日本製。
0.3mm / 0.4mm、インク色10色+メタリック6色+パステルカラー6色。
以前のジュースから変わった点は、
・ノックボタンにインク色とボール径を標記、
・可動クリップ廃止、
・金属製口金を装備して重心位置が前方へ調整、
・細字でも書き味がなめらかな「シナジーチップ」採用、
と、主に四点。
・ノックボタン
ペン軸後端の小さな四角い窓の数もボール径を表しています。ノック負荷約340g。
・ポケットクリップ
先端がペン軸に少しはまっているため、プラスティッククリップの割りには狭持力があります。
ノックボタン一体型クリップはノックするたびに前後動して手にあたりやすい反面、ポケットへ挿すと、露出する部分が短くてフラップを閉じられます。
ジュースやサラサクリップの可動クリップは優れているけれど、フラップ付きポケットへ挿すには上部が出っ張って都合が悪いのです。
・金属製口金は重さを増すために肉厚。
ペン先のぐらつきもなく、重心が前寄りなため、自然にペン先が紙面へ向かいます。
本品重量のうち口金だけで25%あります。長さでは11%くらい。
口金が1/4を占めるからってそれだけで替芯を支えられるわけじゃありませんけどね。
左から、本品口金
本品
サクラクレパス ボールサインノックパイロット ジュースゼブラ サラサクリップ三菱シグノRT1・シナジーチップ
左から、
ジュースの円錐ペン先0.38
ジュースアップのシナジーチップ0.4
ハイテックCノックLHK-10C (製造中止)のパイプチップ0.5。
同社が開発し、ハイテックCシリーズやフリクションポイント04に採用されたパイプチップは、製造しやすくインク吐出量が多いものの、強度が足りない欠点がありました。
今回開発されたシナジーチップは一部を太くして(削り出し製法?)強度が付与されています。磁性なし。
0.4mmの書き味がたいへんなめらか、ジュース0.38よりシグノRT1よりなめらか。
一方0.3mmはシナジーチップをもってしてもなめらかとは言い難い。
また、秒速5センチメートルくらいで線を引くとインク供給が追いつかなくて色が淡くなり、インク供給が追いついている場合でもインク吐出に少々むらが見られました。
追記;2017年11月25日
左画像、0.3赤が淡くなる。
右画像、0.4黒の線が太ったり細ったり。
代わりに、ボールペンを定規にあてがって線を引くと必ず発生するダマが発生しません。
修正テープに書いてみましょう。光が白く透過している箇所がペン先で削られた部分。
上から
本品0.3
同0.4
ジュース0.38
ゼブラ サラサクリップ0.3
三菱シグノRT1 0.28
ぺんてるエナージェル0.3修正テープは
パイロット ホワイトライン フィッティとトンボ モノエアー。
元型ジュースと替芯互換。ばねと替芯の一部形状が異なるため、ノックの感触がちょっと変わります。
まさしく今日気づいたんですが、ペン軸の接合部は口金/ペン軸ではなくグリップ/後軸でした。後日画像を差し替えておこう……
黒インクが水でちょっと滲む以外は耐候性がたいへん高い。
◆替芯LP3RF12S、φ6.1mm×111.5、ペン先径2.5mm、JISゲルL型、日本製
樹脂玉なし、フリクション替芯と同じ替芯キャップがつきます。
替芯価格が1.5倍になりました。120円税別。
替芯が用意されているのは全22色のうち黒赤青ブルーブラックのみ。
ボール径/筆記距離;0.3mm/1000m
0.4mm/1000m
0.4mmパステルカラー及びメタリックカラー/530m
インク改良されて新顔料インクになりました。
ジュースのインクに別段不具合を感じなかったこともあり、違いがよくわからんのですが、白インク性能が向上しています。
上から
本品0.4mm
ジュース0.5mmサクラクレパス ボールサインノック0.6mm互換品:
同社ジュース用LP2RF-8、
Gノック/G2用LG2RF-8、VボールRT用LVKRF-10、フリクションボールノック用LFBKRF30及び同12
代用品:
ラミーM66とステッドラー455 19の代用品になります。逆はできないので互換ではありません。
替芯は同社ノック式ゲルインクボールペン間で規格化されており互換します。
規格化は消費者にとって利益があるだけでなく、企業にとっても既存品の利活用を促して商品価値を向上させるのです。
元型ジュースLJU-10とジュースアップLJP-20Sは同じ顔料ゲルインクボールペンながらペン軸デザインの方向性が異なり、競合しつつも棲みわけられています。
前回の
サラサドライがサラサクリップとペン軸が似た方向へ、インクが異なる方向へ発展したのと対照的で、いい比較例ではないかと思います。