ハンジ実験参加第二弾【獣属性】



俺はフェリクス・リーベルト。
現実世界で、何が起こったのか思い出せないけどいきなり大好きだった進撃の巨人世界にやってきました。ちなみに腐男子です。
リヴァイ兵長とエレン、エルヴィン団長のどこか、もしくは全部をくっつけることに闘士を燃やしておりますどうぞよろしくー!

ところで俺、今ハンジの実験に付き合ってます。
それも2回目です。

前回は子供化の実験に協力して、成功した暁にはエレンに飲ませてリヴァイと!!
ていう使命に燃えていたのに、エレンに使う前にリヴァイに見つかり、サプライズ感がなくなってしまったのでエレンに使うのは断念しました。くそう。

そして2回目の今日。
とってもわくわくしながら試験管を揺らしているハンジを見つめる俺。


「いやあ、この実験の尊さを分かってくれるなんて、フェリクスだけだよ!」
「ハンジの研究は尊い」
「っっ!フェリクスー!!大好き!愛してる!」

ハンジの研究は尊い。虹的に。
すごくいいよね。夢だよね。そして今回は、獣属性を付けるという実験です。
獣じみた巨人に更に獣属性を付けたらどうなるか!みたいな?巨人の方は俺はノータッチだからよく分かんないけど、獣になるなんて、犬化?猫化?どっちにしてもおいしそう。是非エレンに!
その前に自分の体で実験しなければいけません!何より俺もそんな貴重な同人っぽいことすっごく経験したい!

「じゃ、いくよ!はい飲んで!」
「ん、」

ごくり、ごくり、と慎重に、ドキドキしながら謎の液体を飲み下す。
味はさすがにまずい。甘ったるいのにやけに薬臭くて、少し口の中がシュワっとする。炭酸系のシュワじゃなくて、解けてる系のシュワ。やばそうな方のシュワね。
うえ〜、と口を開けて舌を出す。
やがて、体中がむずむずして、かゆいってほどじゃないけど違和感だらけで、特に違和感の強い頭部とケツ。
お、これは!


「きったあああああ!!!フェリクスきたよー!!!できたー!!」
「わあ」


俺も喜びを表現した後、むずむずの止んだ頭に手をやって、飛び出る獣部分を撫でる。ケツも撫でる。
しかしケツは、撫でるよりも意思通りに動くながひょろい尻尾が面白くて、なんとか背後を振り返りながらふよふよ動かして、嬉しくてハンジにもケツを向けてみた。

「しっぽ、」
「うんうん!尻尾できたね!耳もあるよフェリクス!ちゃんと感触ある?どうなの?くすぐったい!?」
「ん、」

触られてる感触はばっちりある。ついでに耳も少し良くなったような気がする。
この足音はリヴァイな気がする!大変だ!エレンに使う前にリヴァイに見つかったらまた前回みたいなことになるじゃないか!
俺は急いで部屋の窓から外に飛び出して階下にそれこそ猫のように着地!
もちろんその時、ハンジが「予備」だと言ってた薬もひっつかむのを忘れない。

「え!?あれ!?フェリクス!?フェリクスなんで……!?」
「おい、クソメガネ」
「え、」






ああ、俺がさっきまでいた部屋から断末魔が聞こえる……すまぬハンジ。
俺は自分の夢を実現させるために、涙を呑むよ!
馬房に置いてある俺の予備マントを引っ張り出して被る。ケモミミ尻尾携えたままでエレンに「これを飲め」と言ったところで警戒して飲んでなんてくれないだろうからね!
食堂に向かうと、エレンはそこで紅茶を飲んでいた。ちゃーんす!
おかわりはいかが?的な感じで差し出そう!

「エレン」
「フェリクスさん、どうしたんですか?」
「ん、」
「わ、淹れてきてくれたんですか、ありがとうございます!」

ゴク。
エレンが何の疑問も抱かず俺の差し出した紅茶を呑み込んだ。その純粋さを利用する罪悪感はもちろんあるが、それ以上にエレンの変身後が見たくて見たくて見たくて仕方がないんだごめん!



「ん、あれ、フェリクスさん……?」


どうやら体がむずむずしてきたようだ!これで少し経てば!


「フェリクス!」
「ん、」


リヴァイがバーン!とドアを乱暴にあけて入ってきた。立っている俺と、前かがみなエレンを見て眉根をぎゅっと寄せる。ふふふ、もう遅いわ!今度こそ夢のリヴァエレがおがめ、

「お前、無事なのか!?」
「ん……?」

ばっと、マントを取られてしまった。抵抗する隙も与えないとはさすが人類最強。しかし、マントがなくなってあらわになった俺を見た、この場にいた全員は俺を凝視した。正確には、俺の頭部とケツを。やだー!ケツなんて言ったらアレみたいじゃないですかやだー!


「きゃあああかわいいいいい!!」
「フェリクスさん、今度は猫ですか!」
「ハンジ分隊長GJ!!」


おお、猫。俺は今猫なのか。細長い尻尾から猫っぽいなとは思っていたけど。
ちらり、とエレンの出来上がりを見てみると、綺麗に耳としっぽの生えた涙目エレンを間近で拝むことができた。
ク ソ カ ワ !!!
へにょった耳がまたかわいすぎるやばい。
猫っぽくないから犬かな?エレンは犬なのかな?ついその耳をそっと撫でてみる。


「フェリクスさ……、な、なんですかこれえ!?」
「かわい、」
「ちょ!?」


耳をはむっていた。
あれ?おかしいな俺は撫でるつもりで。
そして何故かざりざり舐めていた。毛づくろいかな?すげえ、本能残ってる感じ?

「なにしてんですか!?」
「愛でてる……」
「そ、んなんいいですから!」

あ、そうかここにはリヴァイもいたんだった。
だめだリヴァイポジを取るなんて俺の馬鹿!ばか!
ふにゃったエレンをリヴァイに押し付けた。にこにこが止まらない。

「エレン、任せた」
「ああ!?」
「ハンジに報告して、エルヴィンに見せてくる」
「おい、フェリクス!」

リヴァエレを見なきゃ!と思うんだけどどうやら性格も少し猫に浸食されたのか、飛び跳ねるように部屋から出てハンジの死体が転がっていそうな先ほどの研究室っぽいところに向かう。

「ハンジ、」
「フェリクス!どう?どんな感じ?」

ぼろぼろなハンジはそれでも楽しそうに笑って手を振ってくれたので、俺は尻尾を振ってみた。

「かーわいー! 尻尾も自在に動かせるわけだ!」
「行動も少し猫に寄った」
「え!?どんな感じ!?」
「薬、エレンにも飲ませて、耳、撫でようとしたのに毛づくろいしてた」
「ほほう、なるほど興味深い!他には!?」
「ん、……飽きっぽい?いろんな人に会いたくなるけどすぐ飽きる。じゃ、エルヴィンに見せてくる」
「あ、ちょ……! ほんとだ、すぐ行っちゃった」






俺は猫らしいから猫によったけど、犬っぽかったエレンはもっと犬みたいになったのかな?従順な?
リヴァイに従順なエレン……!くそかわ。
心の中でもだもだしながら、無断で団長室に入る。

「……フェリクス?」
「ん、」
「……ハンジか」
「耳としっぽが生えた」

呆れたように笑いながら、エルヴィンは楽しそうに笑ってたので俺も嬉しくなる。
そうそう、やっぱり団長は父って感じよな。俺もそんなエルヴィンに近寄って、尻尾を掴んでエルヴィンに見せると、エルヴィンはその尻尾をふんわり気遣うように救い上げて親指で撫でた。

「本物みたいだな。感触はあるのか?」
「ん、動かせる」

ひょい、と掴んでたエルヴィンの手に巻きつけてみると、その場で追いかけっこするようにエルヴィンも俺の尻尾を掴もうと遊び出す。俺も楽しくなって、デスクに軽くのし上げて尻尾を動かしやすいようにエルヴィンの肩に手を乗っけた。


「捕まえた」
「んん、」


結局捕まったけど大層楽しく、俺もにこおと笑った。俺と目が合ったエルヴィンは一瞬瞠目した後ぎらりと、目を煌めかせて俺の手を引いて引き寄せた。
訳も分からずいると、俺はいつの間にかエルヴィンの膝の上にいる。
気持ちは分かるけど、耳と尻尾が生えただけで俺な事には変わりないのに。あ!今度はリヴァイに飲ませてエルヴィンに押し付けよう!密かに闘士を燃やしていると、エルヴィンは、ぐっと俺の腰に腕を回して引き寄せる。これをされているのがリヴァイなら……!

「人間の耳はどこにいったんだ?」
「なくなった」

こめかみあたりに口を寄せられて、もふもふされながらしゃべられるとくすぐったい。
けど、性格が猫に寄っていた俺、ただ遊んでくれているだけだと脳内で解釈してしまった、事を、後々後悔して必死に脳内変換に勤しみました。

「こっちの耳は?」
「ん、くすぐったい」
「かわいいな」
「あ、ちょ、エルヴィン……」

くすぐったくて、けどなんかぞわっとして、眉根を寄せたままエルヴィンの服をぎゅっと掴んで笑ったまま抗議してみたけど、なんかエルヴィンの眼差しにドキッとして顔が熱くなった。


「エルヴィン!!」
「保護者が来たようだ」
「ん、……」


また、人間の耳のところに口を寄せられてはむっとされてから手を離された。
俺は俺で、遊んでくれたという意識しかなくて、お返しとばかりにエルヴィンの耳をはむってから離れてリヴァイの元へ歩いて行った。
後ろにはエレンがいる。そうだった、リヴァエレを観察しなければ!


「お前……!」
「ん……?」


何故か睨まれて、なんで睨まれるのか分からなくて首を傾げる。
エレンがおずおず、という感じで扉の傍から顔を覗かせているのが何とも言えず可愛い。


「別に何もしてないよ、猫になったフェリクスと遊んでいただけだ」
「ん、」


エルヴィンの言葉に、訳が分からないままその通りだとこくりと頷く。
怒っているリヴァイは置いといて、エレンにまた視線を向けると、相当もみくちゃにされたのか耳も尻尾もぼっさぼさだった。ごくり、と喉を動かして舌で唇を撫でた。
つ、繕いたい……!!

「ひゃ!?ちょ、フェリクスさん!?」
「ん……?」
「なにしてんですかー!」
「毛繕い」





「可愛いな」
「……とりあえずハンジもう一発殴る」
「君も楽しんだんだろ?」
「ふざけんな、お前ほどじゃねぇよ」



獣化は欲を抑えるのが大変すぎる。
猫の欲求がそのまま表れてしまって、リヴァエレを楽しむどころじゃなくなってしまった。
エレンがすごくかわいかったけど、今度は獣系はやめておこう。まる。





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2015/09/10 gauge.


SK

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