ハンジ実験参加第一弾【子供になってみた】



ハンジ実験参加第一弾@子供になってみた。


俺はフェリクス・リーベルト。
現実世界で、何が起こったのか思い出せないけどいきなり大好きだった進撃の巨人世界にやってきました。ちなみに腐男子です。
リヴァイ兵長とエレン、エルヴィン団長のどこか、もしくは全部をくっつけることに闘士を燃やしておりますどうぞよろしくー!

ところで俺、今ハンジの実験に付き合ってます。


なんでかって?
そりゃ、


「これを飲めば、子供になると思うんだ!」
「協力する」


そんな事言われたら、飲むしかないでしょ!
腐ってる方々ならわかるよね?分かるよね!
つまりハンジの手にあるオクスリは、夢のオクスリってわけだ!
これを飲んだエレンがちっちゃくなって兵長に世話されてるところを想像したら、協力しないわけにいかない!


「な、なったー!!子供になったー!フェリクス、協力してくれてありがとう!」
「ん、」

す、すげえええ!全部でっかく見える!
あれもこれもそれもどれも全部でっかく見える!身長的には同じくらいだったハンジがでっかく見える!
漫画みたい!てゆか虹みたい!こんな体験ができるなんてハンジ様素敵!!

「服用意しといてよかったねええフェリクスー!ちっちゃ!クソカワ!ぶふー!ちょ、だっこさせてだっこ!」
「ん、」

ちっこい服に着替え終わったらハンジが暴走したけど、大丈夫、気持ちは分かる!
俺、例え小っちゃくなったのがエレンじゃなくてハンジだとしてもだっこしたくなると思う。ので、抵抗することなく両手を伸ばして「どうぞ」を示すと、顔を紅潮させたハンジが頬ずりする勢いで抱き上げてきた。
え、ちょっとまて、くさ……。ハンジ姐さん、くさ……。
きっとこの薬を作るために何回も徹夜して寝てないんだろうな、と無理やり納得させながらも抱き上げられたままで大人しくする。
年齢的には何歳くらいなんだ?この赤ちゃんみたいなだっこができるということは、せいぜい3,4歳くらいなんだろうか。


「おい、ハンジ、この……」
「……」
「……」

ガチャ、と兵長が部屋に唐突に入ってきたのを見て、全員時間が止まる。
なんだろう、この「見られちゃった」感。
これじゃエレンに使った時に犯人がすぐばれちゃうとか?びっくり感とあせり感がなくなる!とか?あ、それかも。
やっぱりこういうのはサプライズで当事者全員があたふたしてこそだよなー、失敗。
兵長は目を細めてうさん臭そうな顔をして、呆れたようにため息をついた。

「ハンジ、てめぇに隠し子がいたとはな」
「え!?違うよ!私の子じゃないよ!この子は、」
「降ろせ、」
「え、はい」

ぺしりと小さい手でハンジの頬を叩いて、てくてく兵長の前に歩み出る。
ばれたならこの薬は使えないから、それなら楽しもう!


「へいちょ、おれ、フェリクス」
「………、ハンジ……」


物凄い黒いオーラを出しながらハンジを睨みあげる兵長。怖い。
位置的に間に挟まれてるけど視線を遮れないので足もとをたしたし叩いて注意を引く。

「じぶんで、ハンジのじっけんにきょうりょくした」
「……なんだと?なぜそんな真似をした」
「たのしそうだったから」
「でっしょー!?だよねー!この楽しさを分かってくれるのはフェリクスだけだよ愛してるー!!」

ハンジがめちゃくちゃ嬉しそうにまた俺を抱き上げて頬ずり。
もちろん分かるさ、ハンジは腐女、腐男の夢を難なく作り上げてくれる尊い人だから!
兵長が呆れた重たい溜息をついて頭を抱える。

「で、どのくらいで元に戻るんだ」
「え?さあ……」
「え、」

その言葉に俺もちょっと固まって声を漏らしてしまう。
あれ、ないのか。いよいよ虹っぽい展開じゃないか。それはそれで滾る。しかし、ずっとこのままというのも、巨人が来た時に真っ先じゃないか。真っ先にごっくんじゃないか。


「……困る」
「え、あ、だよねー。そうなんだけど、戻るかどうかってのも実験だからさ!まあ時間が足りなかったのと薬ができた高揚感でちょっとそっちのけだったつーか!?あはは、大丈夫!すぐ取り掛かるよ!」
「その間に巨人が来たらどうするつもりだクソメガネ」
「えーと、はっはっは」
「……食われて終わり、か」


死ぬなら兵長に削がれて死にたかったもんだけど、元に戻らなかったら巨人丸のみコースかな。
うーん、と考えていると、突然視界がぶれて、うえ?と思ったら今度はものすごくいい匂いがした!ハンジの後だからなおさら!見上げると兵長の顔が間近にあってなにこれ超滾る俺今兵長にだっこされてる!

「さっさと解毒作れ。それまではフェリクスの面倒見ててやる」
「え、」
「今日中だ、ハンジ」
「え、」
「少しでも過ぎたら、どうなるか分かってるよな……」
「は、はーい!」

部屋を出て、なぜか兵長に抱き上げられたまま進んで行く。
落ちないように兵長の服を掴むけど、皺になったら怒りそうだよなこの人。そっと話すと、歩く時の振動でぐらりと来て落ちそうになった。


「いいから掴んでろ」
「ん、」
「あれ!?兵長、その子、どうしたんですか!?うわ、調査兵団の服着てる!かわいー!!」


おおお、人が集まってきた。
きゃいきゃいしてるのはかわいらしくていいんだけど、俺のほっぺをぷにぷにするのはやめてほしい。


「フェリクスだ」
「え!?フェリクスさん!?どうしたんですか、こんな……あ、ハンジさんか」
「ああ、ハンジ分隊長か……」
「騙されたんですか?」
「いや、たのしそうだったから」
「まさか自分から!?」
「ん、」


こくりと頷くと、うわあ、という顔はされたものの、それでも顔を紅潮させて次々に頬をぷにられる。
むに。むに。むに。
うーん、失敗した、この位置はエレンで、そんなモテモテエレンに兵長が嫉妬するシナリオだったのに。くそう。
ちらり、とエレンを見ると、楽しそうに俺ほっぺをぷにってる。兵長を見ると、いつもの顔で仏頂面。この感じ、多分兵長嫌いなんじゃないかなー。ていうか俺は、エレンと兵長がこんな感じにならなければ意味無いから一人でいいや。
なんというかテンションまで下がってしまって、たしり、と兵長を叩く。

「おろせ、ひとりでいい」
「そんな訳にいくか」
「……あきた」
「、……」
「でんれいとか、おつかいとかなら、できる。よんでくれ」
「ああ」
「えー、ちょっと待ってください、フェリクスさ、」
「てめーら、掃除はどうした」
「ヒッ!」
「すみません!!」

全てがでっかくなった旧本部をてくてく。
面白いなー、子供の目線てこんなんか。
外にでて、馬房のところに来た。面白い!でかい!小さい手を目いっぱい伸ばしてみると、馬は鼻先を下して触らせてくれた。優しい!!たしたし触っているとすりすりしてきてくれた!かわいい!
大変満足して手を振って別の場所へ。外をぐるりと散歩して、中に戻って食堂の代わりとして使ってる部屋に入ってソファによじ登って一休みしてると、何故か昼過ぎのこの時間にものすごく眠くなってきてしまった。
抗えない。大変抗えない。ぽとり、と座ったまま体を倒した。








「……?」


目を覚ますと体にはふわっとしたタオルケット的なものが掛けられていた。
状況を確認するために周囲に視線を向けると、兵長がいた。
同じソファの、端っこに。


「……起きたか」
「ん、」


まだすこしぼんやりする頭に目をこすってみる。
ごしごしやってると、兵長にその手を取られてしまった。

「やめろ、目に傷がつく」
「んんん……」
「おい、」

取られた逆の手でごしごしやったらそっちの手も取られてしまった。
目かゆい。子供だと未発達だから、とかあるのかな?かゆいよー。
と目をしぱしぱむにむに目の?瞼の?力だけでもにもにしていると、兵長が首元のスカーフを取って押し付けてきた。
ん?と顔を上げると、「それ使え、少しはマシだ」と。おおお優しい。兵長が優しい。
是非その優しさをエレンにお願いしたい。くそう、やっぱりこのポジションはエレンにお願いしたかった!


「ん、……」


せっかくなのでありがたく兵長のスカーフを借りて目をごしごし。
一発ですっきりした。眠気は取れないけど!

「あらって、かえす」
「ああ、そうしてくれ」
「にしても、」
「?……う、」

兵長が何故か俺の脇に手を入れてぶらーんと持ち上げた。
なんだこれは。うわあああ脳内エレン変換余裕です!エレンがぶらーんされたらめっちゃかわいい!


「小さいと可愛げもあるもんだな」
「、」


へいちょが!へいちょが笑った―!!!おだやかにいいい!
かわいいいい!中身が俺だって知っててもこの破壊力ある笑顔を向けてくれるなんて幸せえええ!脳内変換する!エレンに向かってこれやってるとか思ったらすげええ滾るぎゃああ!
抱き上げてた体をポスンと兵長の膝の上に座らされぎゅっとされる。くううこのショタ化がなぜ俺なのか!なぜエレンじゃないのか!俺のばか!ばか!

「お前、あんな無茶すんなよ」
「ん……?」
「スリル楽しむみてぇな真似すんな。心臓がもたねぇ」

これは俺じゃなくてフェリクス君に言ってるのかな?もともとのこの体の持ち主君に。それとも初めてここに来たとき何もできずに巨人に囲まれてた事言ってるのかな?それなら俺はこれからもしそうで申し訳ない。もしかしたら兵長とフェリクス君は親友とかそんな感じだったんじゃないだろか!?その位置もおいしいなあ。


「それからな、」
「ん、」

「いつから俺の事『兵長』なんて呼ぶようになった。気色悪い」


やっぱりフェリクス君と兵長は親友ポジ!?そうなのか!?そんな滾りも、兵長のどこか切なそうな声に落ち着いてきてしまう。親友に他人行儀にされたとしたらそりゃ切ないよな。ん、そうなるとフェリクス君も兵長の匂いを嗅ぎまくる変態仲間ということになるけどいいのかな!?それとも成り代わり設定じゃなくて記憶書き換えタイプの転生なのか!?
あ、成り代わりだとなんか切ないから是非記憶書き換えタイプでお願いしたい!
だって俺の性格も行動も受け入れられてるってきっとね!そういうことよね!全員に俺の過去がある状態で転生したのよね!


「りヴぁ、」
「黙れ」
「う、……ん?」


あれ?今……。
うわ、あれ?


「……」
「……」


お互い目を丸くしたまま見つめ合ってしまった。
へいちょ、……リヴァイは俺を膝に乗せたまま、俺はリヴァイの膝に乗ったまま。さっきまでの、すごく近い距離で。



「戻ったな」



リヴァイの言葉に俺も自分のからだとか周囲の大きさとかを軽く確認してから、頷いて目の前のリヴァイの顔を覗き込んだ。
戻る前、リヴァイが俺にしたことを聞きたくて。いや聞かなくても分かってるんだけど、なんか、聞いてみたくて。
腰に回された腕が熱いんですが。あなたの胸元に置いた俺の手も、手に心臓があるのかってくらい痛いんですがこれは。

「ん、……リヴァイ」
「なんだ」
「今の、」

「フェリクスー!リヴァアイ!薬でき、た……よ」


おお、ハンジ。この短時間でよくぞ!さすが虹の神!
喜んでいると、でもそういえば戻っちゃったんだよなと思いながらリヴァイを見る。

「ちょっと!ちょっと何してんの2人!私が必死に時間と戦っている間にオタノシミですか!ムッツリリヴァイはともかくフェリクスまでそんなやつだとは思わなかったね!」
「ん……?」
「小さいのの世話焼いてたら急に元に戻っただけだ。勘違いすんな変態クソメガネ」

降りようと体勢を変えると、思いのほかリヴァイの腕の力が強くて身じろぎしかできなかった。あれ?

「リヴァイ、」
「なんだ」
「離せよ」
「チッ、ああ」

なぜに舌打ちを。怖いわ。
ハンジはそのまま叫んでいたけど、身軽になったリヴァイがツカツカハンジに詰め寄って蹴り上げてた。それでも静かにならないのがハンジだけど、夢の薬をエレンに使うのは断念だなあ。サプライズ感なくなるからね。今度はどんな薬作ってくれるかなハンジ。楽しみにしてるよハンジ!


でも、リヴァイになんであんなことしたのかは聞くタイミング逃しちゃったな。





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2015/09/10 gauge.


SK

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