short 2
瞼が開いて部屋を見回すと赤い前髪が揺れていた。
「……花京院」
うつらうつらと船を漕いでいた彼はなまえに気がついて目を開ける。そしてほっとしたように目を細めた表情はやわらかい。
「気分はどうだい?」 「まだあんまり良くないかな」 「やっぱり今日は休んでいた方がいいね。なにか欲しいものはある?持ってくるけど」 「いい……行かないで」
立ち上がりかけた花京院を引き留める。驚いた顔をしたが、もう一度座り直してその手でなまえの頬を包み込む。 大きくてあたたかい手に不思議と安らいだ。
「……どうしたの?」
頬を撫でる手がいつしかふにふにと軽くつまむようにして揉みはじめられ、その感触を楽しむように指先が肌をなぞる。くすぐったさに目を細めると、唇に何かが押し当てられた。花京院の顔が近い。赤い髪が頬に触れる。
「……ごめん、なまえ」
横たわるなまえに覆い被さるようにして花京院が抱きしめてきた。花京院の温もりと吐息が布越しに肌に伝わる。見えた横顔は真っ赤に染まっていて、つられてなまえも赤くなった。
---------- 7スタ沿い花京院夢から。もちろんスタンド名も『7人目のスタンド使い』からです。 連載にそのまま載せるかもしれないし番外編に入れるかもしれない。 戻る
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