夢の中の獣・参


張遼は始めから、自分が欲情していることに自覚はあった。
しかし、節操なく英瑠を押し倒したりはしない自信もあった。

彼女から「怖い夢を見た」と言われ、例の艶めいた声の件を思い出し、疑念にかられた。
「それはどんなものか見てみたい」とからかい半分で深追いしてみれば、彼女はあからさまに動揺し、だがそれを隠した。

僅かな苛立ちが募るのを自覚した。

布巾を奪って腰に手を回し、水に濡れた胸元を拭いてやれば、いよいよ瀬戸際だと悟った。
扉を隔てて聞こえてきた彼女のあの声を、もう一度聞きたいと思ってしまった。

自覚しているのかいないのか、身を委ねるように潤んだ瞳で見上げられた時に、張遼は考えることをやめた。



「っ、文遠さま……っ」

張遼が英瑠を抱きかかえて寝台に運べば、彼女は少し驚いたようだったが、同時に待ち望んでいたというように張遼の首筋に縋り付いてきた。
それは二人の時間が始まる無言の合図でもあった。

夜更けに彼女の部屋を訪れた罪悪感も、睡眠時間を削られることになるであろう懸念も。
何もかも押し流して、ただ体内を巡る暴発しそうな熱に酔う。

余裕の無さが彼女に申し訳ないと思いつつも、己を制御できずに英瑠の帯を手早く解いてその太腿の付け根を雑に探った時に、張遼は異変に気付いた。

英瑠のそこは、今しがた押し倒したばかりとは思えないほど滔々と潤っていた。

先程の扉越しの啼き声が脳裏に蘇る。
我に返って英瑠を見下ろせば、彼女は耳まで朱に染まった顔を羞恥に背けながら、高揚に耐え息を乱していた。

果たして、夢の中の彼女も、どこかの男相手にこんな様態を晒したのだろうか。
何かを期待するように身体を火照らせ、堪えきれない甘い吐息を漏らしながら。

張遼は、胸の奥がたまらなくじりじりと焼かれていくような気持ちになった。
夢は夢。それはわかっている。

しかし。

「英瑠殿……、
本当はどんな夢を見ていたのだ」

言ってしまってから、一瞬だけ後悔を覚える。

だが、英瑠は正直に答えるどころか、びくりと身体を震わせ
「な……、なにも……、ただの、怖い夢で……」
と言い淀むだけで、張遼と目すら合わさないのだった。

一瞬覚えた後悔を即時撤回する。

張遼は、英瑠が他の男と睦み合う夢を見たのだと確信した。


何を思ったところで、所詮夢は夢。
望んで見たものでもなければ彼女を糾弾する権利は張遼にはない。
恥ずべき夢を自らの胸の内だけにしまいこむのも、考えてみれば当然のこと。

しかし、面白くないのも事実。
嫉妬と八つ当たりだとは自覚しつつも、張遼は少し彼女を虐めてやろうという気になった。

「っ、あ……!! 文遠、さまっ……!!」

すでに充分すぎるほど潤いを帯びている彼女の下半身に顔を埋め、一番敏感な部分を吸い上げる。

「駄目です……っ! そ、そんな……っ!
文遠さまっ……、私はもう……っ! や……!」

これ以上焦らさないでくれと、暗に早く一つになることを望む英瑠に、張遼は顔を上げて言い放つ。

「やめてほしければ本当のことを申すのだな」
「っ、……!」

しかし英瑠は、また黙ってしまい決して夢の話はしないのだった。

強情な、と、自らも熱に浮かされてぐちゃぐちゃになる意識の中、張遼はならばこうだというように再び彼女の泉に顔を埋め責め続ける。

「あっ、本当にっ、駄目です……っ!!
それ以上されたら、っ私……!
や……っ、文遠様と一緒がい……っ、あぁっ……!!」

英瑠はもたらされる快楽に耐えながら、張遼の髪に指を差し入れ、普通の女人のような力で彼の頭を押しのけようと身をよじった。

情事の時の彼女は、張遼が多少無理をしたところで、普段のような獣のごとき怪力を発揮しないことを張遼は知っていた。

雰囲気を壊さないように気を使っているのか、はたまた性的な場面では本来の力を行使出来ないのか。

とにかく英瑠はただいやいやと首を振って、張遼に哀願するようにただ、切なく喘いでいた。
やがて、自らの手を噛み唐突に声を押し殺した彼女は、身体をビクリと跳ねさせ達してしまうのだった。


「っ、ぁ……っ、」
「声を殺す必要はないであろう」
「……、だって……」

この期に及んでも何かを隠したままの英瑠に、激情が抑えられなくなった張遼はとうとう思っていたことをぶちまけてしまう。

「他の男に抱かれる夢をそんなに私に隠したいか、英瑠」

余裕も何もかも失われている。
張遼は自分で自分をみっともないと思ったが、心の奥底から沸き上がる暗い感情と、昂ったままの身体がただ平静さを乱していたのだった――



***********************


英瑠は。
今しがたの張遼の言葉に雰囲気も忘れ、目を見開きただ信じられないといった顔で固まっていた。

恐る恐る張遼の表情を伺うも、その目は決して今の言葉が冗談ではないことを物語っている。

予想外、だった。

どう考えても素直に暴露出来る話ではないから黙っていただけなのだが、まさかこんな形で誤解されているとは。

英瑠は、一通りの自分の言葉を思い出し、そこから張遼が悪い方向へ誤解したのだと、彼の気持ちになって考えてみて――
とても、胸が潰れそうな、泣きそうな気持ちになったのだった。

完全に男性の気持ちになって想像することは出来ないだろうが、それでも、逆の立場で考えてみるだけでも――
例えば、張遼が他の女性と睦み合う夢を見て、起きてからも身体が昂っているにも関わらずそれを隠し、まるで熱を鎮めるためだけに自分に手を伸ばして来たら。

ちくりと胸が痛んだ。
もちろん、代わりでも何でも自分なら、彼に触れられること自体は嬉しいだろう。
それは揺らがないはずだ。しかしそれでも。

英瑠は、張遼への懺悔の涙を浮かべると、弱々しい声で
「ごめんなさい……、」
と吐き出した。
そして、その謝罪をまた別の意味に取られることを恐れ、間髪入れず
「ほ、本当に私の夢の話を聞いてくださいますか……?
文遠様を、不快にさせてしまう内容かもしれませんが……、」
と続けた。

張遼は身体を起こし英瑠に向き直ると、
「ああ。聞かせてくれ」
とだけ答える。

英瑠はこの最悪な状況を脱する突破口を開いたことにとりあえず安堵を覚えつつ、しかし未だ本当のことを言ったら彼に嫌われてしまうのではないかという恐怖のもと、
「はしたなくて……、自分が怖くて仕方がない夢の話です……
聞かなければ良かったと思われるかもしれませんが、それでも」
と告げた。

しかし張遼は強い調子で、
「二度は言わぬ。
そなたがどんな夢を見ていようと夢は夢。
あのような……、っ、
このような事態になっているにも関わらず、隠し事をされる方が堪える」
と返した。

「っ、……!」

あのような……このような事態……
英瑠はとても嫌な予感がしたが今は考えないことにした。
深く考えたら羞恥に足を取られ、あらゆる勇気が奪われるような気がした。

そして英瑠は、震える唇で、先程見た口に出すもおぞましい、やがて恥ずかしい夢の内容をぽつりぽつりと話し始めるのだった。




戦の夢。たまらなく気分が昂揚したこと。
一個の戦鬼となって、ひたすら敵を屠ることに爽快さを覚えたこと。

やがて、人ならざるモノに囲まれたこと。
戦の昂揚と性的な昂揚が繋がって混ざりあい、身体が疼いて正気を失いそうになったこと。
いくつもの影に身体を撫で回され、それを半ば悦んでしまったこと。
そして、すんでのところで、心の中で張遼を呼んだこと――

呼んだら今度は、覆いかぶさる影が彼にすり変わったこと。
夢の中の張遼は、冷たくて強引で……、だがそんな扱いに、寂しさを覚えつつもまんざらでもなく、身体は素直に悦んでいたこと。

ふしだらで冒涜的で卑猥な夢。
そんな夢を見る自分が恥ずかしくて恐ろしくて、張遼に嫌われるのではないかと思い正直には言えなかったこと。

堰を切ったように全てを吐露し最後には涙を流し始める英瑠を、張遼は黙って見つめながら、その震える手をそっと握って唇を噛み締めるのだった。


「英瑠殿……!
私はそのような事で、そなたを嫌いになったりはせぬ……!
相手が私なら、何故はじめに申してくれぬのか……!」

張遼は申し訳ないような、困ったような顔で吐き出すと、指でそっと英瑠の涙を拭った。
彼はすぐに「いや……、」と続け、

「そなたの夢を勝手に想像して、夢の中の居もしない他の男に勝手に嫉妬した私が悪いのだ……。
英瑠殿、どうか許して欲しい。
そなたを泣かせるつもりはなかった。
辛いことを話させてしまい、すまぬ……!」

と、腕を広げて英瑠をきつく抱きしめると、謝罪の言葉を紡いだのだった。

英瑠は張遼の身体を抱き返しつつも、彼の謝罪を慌てて制す。

「そんな! 悪いのは私です……!
文遠様のお気持ちも考えず……!
逆の立場で考えれば、どんな気持ちになったかはわかったはずなのに……!
全ては、私の弱さが原因なのです……
人ではないものの夢を見たのはきっと、他でもなく自分の中に人ならざるものがいるから……
しかし、それに甘え、抗えずいいようにされてしまったり、そもそも……、
戦の昂揚感と、その……、性的なそれを、混同したのは……
私が未熟な存在だからだと思うのです……
だから、それが恥ずかしくて言えなくて……
誰よりも文遠様に嫌われるのが怖いという保身から、ごまかしてしまった私の罪なのです……!
申し訳ありません……文遠様にこのような思いをさせてしまって……」

英瑠は張遼に抱きしめられたまま、そう一気に想いを吐き出す。
彼女はまるで、国の命運を決する大戦が終わった時のような、肩の荷が降りたような気持ちになっていた。

張遼を苦しめてしまうのなら、そして正直に全てを話すことでこんなに満ち足りた心持ちになれるのなら、始めから全てを打ち明ければ良かったのだ。
英瑠はようやくそのことに気付き、自分の愚かさを心から悔いた。


やがてどちらともなく身体を離すと、ゆっくりと張遼が口を開く。

「英瑠殿……
たとえそなたの中に人ならざるものの存在があろうとも、そなたは夢の中でそれに抗い、最後は私を選んでくれたではないか。
そのことを私はとても嬉しく思っている」

「文遠様……」

「それと……、戦の昂揚感が治まらず、性的なもので自分を鎮めたことは私にもある。
……意外だと思われるか?
人間とは完璧ではないし、身も心もままならぬこともあろう。
何も恥じることはない。
先程も言ったが、このようなことで英瑠殿を嫌うことは断じてありえぬ。安心めされよ」

「っ……!」

「私は身勝手な想像を膨らませ、そなたに嫌な態度を取ってしまった。
夢とはままならぬもの……当然の原理だ。
理解していたはずなのだが、己の感情を抑えることが出来なかった。
私の方こそ未熟にすぎる。

英瑠殿……許してくれるか。
女々しいと思われようが、私の方こそ、そなたに嫌われてしまう事を想像しただけで心が凍る思いなのだ」

張遼は、再びそっと英瑠の手に自らの手を重ねると、自嘲するように目を伏せて息を吐いた。

英瑠はその手の上からさらにもう片方の手を重ねて彼のぬくもりを実感すると、真っ直ぐに張遼を見つめた。

「文遠様……
そのようにおっしゃってくださって、私はこの上ない喜びを感じております……。
私の心が文遠様から離れることなど絶対にありません……!
どうか、これからも……、お側に、置いてくださいませ……」

英瑠はそう熱く本心を語ったものの、羞恥から最後の方は目を合わせることが出来なくなり張遼の手を握ったまま俯いてしまうのだった。

張遼は答える代わりに優しく英瑠を寝台に押し倒すと、空いている方の手で彼女の頬に触れ、覆い被さるようにその唇を塞いだ。

瞼を閉じてそれを迎えた英瑠は、今度こそ、夢ではない本当の彼を、全身で受け入れるのだった。


「んっ……、」

互いの存在を確かめるように深く交わされる口付け。
しんと静まり返る夜の帳の中、達したばかりの英瑠の身体の芯には再び熱が生まれていく。


「……、夢というのも、存外捨て置けぬものだな」

英瑠の肌に唇を落としながら、張遼はぽつりと零す。

心なしか含みがあるその口調に、英瑠は息を切らしながら軽く疑問符を浮かべて彼を伺った。
そんな彼女の反応に気付いた張遼は、律儀にも、欲を浮かべた眼のまま英瑠の疑問に答えるのだった。

「不可思議な夢のおかげで、今宵、このような英瑠殿を目にすることが出来た……とも言えよう」

「……、このような、とは」

「ああ。このような、制御出来ぬ熱に身体を火照らせている……そなたの艷めいた姿を」

「っ、……!」

恥ずかしげもなく言い切る張遼の言葉に、夢の中で淫夢を見た時から延々と続く身体の火照りを指摘された形になってしまった英瑠は、言い知れぬ羞恥を覚えた。

だが自らを恥じる彼女をよそに、張遼は英瑠のあらわになった太腿を撫でさすりながら追い討ちをかける。

「今のそなたを見ていると……ただひたすらに、抱き潰したくなる」

「っ……!!」

「……良いか」

それは懇願するような、どこか余裕のない欲情した男の声だった。

想いを寄せた相手に『抱き潰して良いか』と問われたら、一体なんと答えれば良いのだろう。
英瑠は身体の奥が何かを待ち望むように切なく収縮するのを自覚しながら、羞恥と期待の間に揺れた。

「……はい」

結局、彼女が言えたのはその一言だけだった。

「どうか覚悟めされよ」

告げられた言葉はきっと、張遼なりの思いやりなのだろう。

「っっ、あ……っ! や……」

潤んだ部分を滑るように捩じ込まれた熱と、揺さぶられる身体。
繋がり擦れ合う部分から走る快楽の波が、紙に染み込む水のように英瑠の全身に広がっていく。

もはや会話は要らない。込み上がる激情と情欲は、互いに向かってぶつけるしかないのだ。

英瑠は戦で方天戟を振るうときよりも息を乱しながら、与えられる熱に酔った。

切れ切れに彼の名前を呼んでその首筋に縋り付けば、猛ったものでひたすらに身体の奥を掻き回され、英瑠は先程の夢で見た激しい張遼との行為を思い出した。

しかし確実に夢とは違う部分がある。
今彼女を見下ろしているのは、冷たく強引なだけの彼ではなく、欲に逸れども英瑠を英瑠としてきちんと見てくれる彼なのだ。

英瑠はそれを心底嬉しいと思った。
たとえ完全な人間ではなくとも、相手に求められることがどれほど嬉しいことか。

心から満たされ、喜びと悦びから淫らな声をあげた英瑠はうっすらと涙を浮かべた。

そして夢ではない張遼は、それを愛おしむように、指で優しく拭うのだった――


***********************


「……ところで英瑠殿。
夢と言えば、私も不思議な夢を見たのだ。
そなたの夢の話を聞いたあとでは、何やら無関係とは思えぬような、不思議な夢であった」

飽きるほど睦み合い、ようやく嵐が過ぎ去った後の心地良い気怠さの中。
傍らにある温もりに寄り添いながら、張遼はふと思い出したように口を開いた。

「文遠様も不思議な夢を……
よろしければ、どんな夢だったのかお聞かせ願えませんか」

「うむ」


張遼は、先程見た夢の内容を英瑠に話して聞かせた。

深い霧の中で迷ってしまい、男と女に会って、女が差し示したその方向に進んだら城に戻って来れたこと。

何故だか霧の中では英瑠の名前が思い出せなかったが、霧から抜け出したら名前を思い出したこと。

張遼は、道を指し示した女に既視感を覚えたことは言わなかった。
後ろめたいわけでは無かったが、何となく言わない方が良いような気がした。
ついでに、男に問い掛けられた「人ではないもの」の話もしなかった。

現実に居る今ならわかる。
あの男の問い掛けは、他でもない今、隣で張遼の夢の話にあどけない顔で耳を傾けているこの愛しい女を指していたものに違いないことが。


「文遠様が霧の中に……私の名前を……
……たしかに、不思議な夢ですね。
道を教えてくれた女性は何者だったのでしょうか……」

そう言って、わからないというふうに首を左右に振る英瑠の仕種を目にした時に、張遼は雷に打たれたようにはたと気が付いた。


そうだ。あの、どこかで見たような女性は。

他でもない、英瑠に似ていたのだ。

歳は英瑠より上だが、最初に会った壮年の男よりも随分と若かった。

――壮年の男。

その男は見た目、役人風だったように記憶している。

――そして。

他でもないこの英瑠の父親も、病に倒れる前は役人では無かったか。

さらに。
英瑠の母親は、その父親が亡くなるずっと前、英瑠を産んで数年で他界したと彼女は以前語ってはいなかったか。

あの霧の中で失っていたのは英瑠の名前だ。
男に問い掛けられ、女に道を指し示されて霧から抜け出し、張遼はそれを思い出した。


ならば。
まさか。


あの男女は、もしや、英瑠の――――



「文遠さま……?」


そこまで考えたところで、張遼は我に返った。

きょとんとした顔を向ける英瑠の頭を撫で、「……いや。そなたの名前を忘れるなど……、
申し訳ないと思ってな」
そう続けた。

英瑠は少し笑って、
「夢は夢ですよ。
文遠様がそう教えてくださったのではありませんか」
と優しく返していた。

張遼は、胸が熱くなるのを感じ英瑠を腕の中に閉じ込めた。
そして、瞼を閉じて彼女の温もりを全身で感じると、二度と離すまい、忘れるまいと誓ったのだった。


「……しかし。
まるで夢に引き寄せられたように今宵英瑠殿の元へ参って、本当に良かった。
……そなたのその身体の昂りを、もし独りで持て余していたとしたら……、何とも勿体無いところであったからな」

「っ!?」

張遼の言葉に英瑠は瞬時に顔を朱に染めて、泣きそうな表情で彼に訴えかけてきた。

その顔には、『勿体無い!? 何故そういう事を言うのですか!』
と書いてあり、張遼は彼女に悪いとは思いつつも、こらえきれずつい笑ってしまうのだった。

この分では、自分が淫靡な夢にうなされて声を上げていたことなどを知った日には、彼女はしばらく部屋に閉じこもって出て来なくなってしまうだろう。

言わぬ方が良いこともあると張遼は自分に言い聞かせ、朝が来るまで彼女に寄り添うのだった――





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