※ぎしぎし ラグシェ


「あっ」

たまらずに声が出た。
急いで口に手をあてがう。しかしその声は結構に大きかった様で。
俺の目の前にいる男、ラグナスは途端に嬉しそうに頬を緩ませた。
そして「やっと声出してくれたな」なんて満面の笑みで言うもんだから、俺は悔しさと羞恥で一気に顔に熱が集まるのを感じた。

随分と嬉しそうににこにこするその顔に腹がたったので、腰に回している足で思い切りラグナスの背にかかと蹴りを食らわすと、ラグナスは声にならない声を上げふるふると細かく震えた。余程痛いのだろう。ざまあみろ。

なんて言ったら、ラグナスはこちらを睨みつけて覚悟しろと低く唸った。
もし俺に痛い思いをさせたら、絶対に許さないからな。そっちこそ覚悟しろよ。



title...joy様




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