小さな手が頼った ギルナツ


ギル+子ナツ



「ギルダーツ・・・」

後から自分を呼ぶ声が聞こえたので振り向いてみると
そこには俺の袖を掴むナツがいた

「どうしたナツ、なんか用か?」
「・・・別に、」
「・・・?そうか、じゃあ俺は行くぞ」
「ちょっ、ま、待って」

ナツはぐい、と掴んでいた俺の袖を引っ張りギルドの長椅子に俺を座らせた
そして、俺の隣に腰をおろす

「あのっ、さ・・・も、もうクエストに行っちゃうのか」
「あぁ、まあ今回はさほど難しくはないクエストだからまた戻れると思うぞ」
「ほっ、本当か!?」

ばっ、とナツは顔を上げ、目を輝かせで俺の目を真っ直ぐ見つめる
まるで仕事に行く父親に、行かないでとすがる幼児のようで可愛らしい

「だから、いい子にして待ってるんだぞ」
「わかった」


ナツの頭を撫で、俺はギルドに背を向けた





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