はぜる夢を見てたじろいだ グレナツ
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気づいたら、目を見開いて天井を見ていた 外はまだ暗く、おそらく真夜中だろう
寝起きでぼやける視界の中でじんわりと事を思いだせば、脳内に薄く残るものがあった
そうだ、悪い夢を見たのだ それは吐き気が催すほど 大事な人が無残に酷に殺される、
我ながらこんなことでここまで大きく脈打ってることに呆れた。これでは女同然。 そう自分に言い聞かせ再び落ち着きを取り戻そうと試みたが、脳裏から酷な情景が離れず、俺は不安でしょうがなくなってすぐ家から飛び出た
まっすぐ向かった先は、夢に出てきた愛しい人の家
インターホンを押せば、眠たそうに頭をおさえながらグレイが出てきた グレイはすぐ顔色を変え、かなり驚いている様子 まあ、突然夜中に恋人が訪ねて来たりしたら当たり前の反応だろう
「は、えっ、ナツなんで」 「は、入らせてもらっていいか」 「・・・いいけどよォ」
ほら、とグレイはドアの前を退けて俺を家に入れてくれた
グレイの部屋に入れてもらい、二人ソファで並んで座った 俺はどう言えばいいのかわからず黙っていると、グレイは無言の空間を打破したいらしく、すぐ話題を持ち込んだ
「その・・・ナツさんよ、一体どうしたんだ、こんな夜中に」
グレイが聞いてきたことは予想どうりだった
「・・・なんでもないんだ」 「なんでもないって・・・」
なんかないとこんな夜中に来ないだろうと苦笑され、思いを吐き出したくなったがあんまりにも恥ずかしいこの理由、そう簡単に言えるわけもなく、俺はグレイに抱き付き自身の口止めをした
「ナツ・・・!?」 「きょ、今日・・・泊まらせてもらってもいいか・・・」 「お・・・おぉ、でもよぉナツ、ホントどうしたんだよ、なんかおかしいって」 「・・・うるせぇ・・・」
俺が理由を相当言いたくないのを察したらしく、グレイはこれ以上理由を聞くのをやめた
その代わりに俺を優しく抱きしめ、俺の耳元で甘い言葉を囁いた 俺を安心させようとしたのかはわからないが、俺は顔が熱くなり染まる頬を見られたくなく俺はグレイの首元に顔を埋めた
(安堵が欲しいだけだったのに)
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title...泣き給えよ様
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