相合傘の魔法 源不


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今日は午後から天気が荒れ、部活終了後には大雨になっていた
学校の玄関から出るまでそれに気づかなかった俺は深くため息をつく

「傘なんて持ってきてねえよ・・・」

普段なるべくカバンを軽くしたい俺は無駄な物は持ってこないようにしていた
流石に折りたたみ傘ぐらいは用意しておくべきだったか・・・


「どうした?不動」
「!?・・・源田・・・」

不意に後ろから声を掛けられて一瞬焦ったが、見慣れた人物であったことに安堵する

それにしても、調度良いところに源田が来た
俺がなかなか玄関から出ないものだから、気にかけたのだろう
俺は声に出さないよう傘を二つ持っていたら貸してもらおうと企む
むしろ、源田はお人よしだから傘一本しか持っていなくとも貸せと言えば貸してもらえそうだ


「もしかして傘を忘れたのか?」
「・・・そのとおりだけどよ」
「なんだ!そんなことなら心配するな。俺は傘持ってきているからな。」

俺が言い出す前に話を切り出すだなんて、本当にこいつは良い奴だな
心の中で褒めなのか悪態なのか曖昧なことを呟く

「でかした源田・・・。てわけで、明日にでも返すから、傘貸してくれないか」
「いや、一本しか持ってきてないが・・・」
「あぁ!?じゃあなんで安心しろとかほざいた!」
「一緒に入ればいいじゃないか」
「・・・はぁ?」

あまりにも間抜けなことを抜かすから、こっちまで間抜けな声が出た
こいつは何を言ってるんだ
相合傘だと。ましてや男二人でか。

「おいおい源田・・・男二人で相合傘なんて見苦しいぜ?」
「別に俺は気にしないが・・・」
「・・・お前が気にしなくとも俺が・・・」
「とりあえず雨が止むまで待つのも面倒だし、いいじゃないか」

源田が断っても断っても、あまりにもしつこく言ってくるから
折れた俺は傘を一緒に使ってやることにした
ほんとお前は過保護というかお人よしというか・・・
まあ優しい・・・という、か


相合傘をしながらの家へ帰宅する道中、源田の肩とたまにぶつかったり
距離間がそうなかったり
家に帰るまでなんだか恥ずかしい思いでいっぱいだった


もう相合傘はごめんだ







title...確かに恋だった様





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