魔法少女と地獄
「わああ!!」
地獄の上空を飛ぶ朧車に京子は大はしゃぎする。
地獄に来るまでの間も、見るもの見るものに興味を惹かれフラフラと行ってしまい何度も鬼灯が連れ戻す羽目になった。
朧車から身を乗り出し景色を見ていたが鬼灯の、針山に落ちたら串刺しになりますよ
という一言ですぐに大人しく座る京子
「ねぇ、鬼のお兄さん?」
京子は鬼灯の顔をジッと見つめる。
「鬼灯と呼びなさい」
「鬼灯様、」
様を付けた方が良いのか迷ったが、リリスが鬼灯様と呼んでいたのを思い出した京子はきっと鬼灯は偉い立場にある人なのではと思い、リリスと同じ鬼灯様と呼ぶ事にした。
「鬼灯様、私の事連れて来なければ良かったとか思ってたりします…?」
恐る恐る鬼灯に聞く京子
「そう思うのなら少しは大人しくしてくれれば良いんですがね」
鬼灯がピシャリと言うと、京子は叱られた犬のようにしゅんとしてしまった。
「まぁ、普段あまり外に出ないのなら物珍しくなるのも仕方ありません」
ほどほどに、と鬼灯が付け足すと京子はパァっと直ぐに笑顔になる。
「地獄は凄い所ですね〜ネコバスまであるなんて」
「え?」
「え、今乗ってるのって地獄のネコバスみたいな物じゃないんですか?」
外から、流石お嬢ちゃん分かってるねぇ!
という声が聞こえる。
目をキラキラとさせた少女に真実を告げるべきなのか迷ったが、これは妖怪の類だと言うことを告げると途端に京子は表情を曇らせた。
「てゆうか貴女、そういう事は知っているんですね」
「マリン様が日本から取り寄せてくれて、何度も繰り返し観てました」
あの魔女、ジ●リから出て来たような風貌なくせにジ●リマニアか
と鬼灯は思った。
「もうすぐ、閻魔殿に着きますよ」
「はーい!」
元気よく返事をする見た目には非常に可愛らしい少女を見つめて、この先どんな事になるのやら
鬼灯は先が思いやられるような気がした。
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