布団が吹っ飛んだ




「んん…」


頭からすっぽりと被った布団
ぬくぬくとしていて、その何ともいえぬ心地よさに再び目を閉じる


ふと思う
今、何時だろう…

京子は重たい瞼を開け布団から頭だけを出し枕元の目覚まし時計を確認する


時刻は始業時間をとうに過ぎていた。




「おやすみっ」

京子は再びもぞもぞと布団に潜り込む

うん、今日は有給取ろう
ぬくぬくのお布団の誘惑には勝てない。


ベストポジションを見つけ再び眠りに着こうと目を閉じたそのとき、
枕元に置いていた携帯から流れ出すメロディ


無視してやろうと決め込んだが、電話の相手も諦めないのかメロディが止むことがない

布団から顔だけ出してチラリと目を向ける
携帯のディスプレイに表示される名前




“鬼灯様”





「………うげ」




京子は見なかった事にして携帯を枕の下に沈めた。




枕の下で鳴っていた携帯だが、暫くすると留守電になったのか音は止まった。

止まったのを確認し、気を取り直して再び布団にもぐりこんだ

と 同時


凄まじい音で部屋のドアが開く
いや ドアごと吹っ飛んだ



「どぅわぁっ…!!?」


そのけたたましい音に驚き、飛び起きる京子


文字通り鬼とご対面する事になった。



「京子さん」


「は…はい」


ただ名前を呼ばれただけ、それだけなのにその凄まじい気迫に圧倒され
思わずベッドの上で正座をしてしまう



「何をしているんですか?」




仕事に行くのが面倒くさくて寝ていましたとは口が裂けても言えない
多分言った瞬間私は塵になる

ならば、最大の武器!!女という事を利用するしかない…!



「生理痛でお腹が痛くて寝ていました」




「確かめていいでしょうか?」
「ごめんなさい嘘です」


嘘なんか付いたって鬼灯様に通用するわけなんてないのに私は愚か者だ…!


「何で電話出ないんですか?」
「寝ていました」
「枕の下に隠したの見てましたよ」
「すみませんでした」


土下座するしかなかった



鬼灯は土下座する京子をこれでもかという蔑んだ目で見下ろす


「準備」

「え?」

「1分待ちましょう。過ぎたら犯す」









京子がベッドから飛び起きて死ぬ気で準備をした事は言うまでもない


END


(まだ髪がボサボサですー!)

(いつもと何ら変わりはないですけど)

(ひどい…)







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