しましまぱんつ2



カリカリ…
静かな執務室には鬼灯が走らせるペンの音と紙のこすれる音だけが響く。

ただ判子を押すだけの書類もあれば、各部署からの予算申請のようなきちんと内容を読んで把握してサインをしなければならない物まで様々な書類が鬼灯の机の上には山積みになっている。


かれこれもう何時間になるだろうか、判子を押す手を止めてふと時計を見ると時間はいつの間にか昼を過ぎていた。

腕をぐっと上に伸ばせばパキパキと関節が鳴り強張った筋肉をほぐすと、昼食を取ろうと鬼灯は席を立った。




お昼は簡単に済ませて残りの時間は金魚草に水をやろうかと考えながら閻魔殿の廊下を歩き食堂へ向かっていると
角を曲がった所で女子トイレから獄卒であろう一人の鬼女が出てきた。


特に気に留める事もない、至って普通の光景なのだが
只一つ、決して普通ではあり得ない光景に鬼灯の鋭い目は否が応でもそれに釘付けになる。




淡い水色のストライプ柄
形の良いお尻にむにむにとした太もも
それを惜しげもなく晒している

簡単に言うとパンツ丸出しで
目の前の鬼女はるんるんと歩いていた。


「………」


パンツ丸出しで廊下の真ん中を歩くという非日常的な光景にさすがの鬼灯もフリーズして見つめてしまう。

おにーのぱんつはいいぱんつー
つよいぞーつよいぞー

先日、茄子が歌っていた歌が脳内で再生されていた。


パンツ丸出しの鬼女とすれ違った男の獄卒達がザワザワし始めたのをきっかけに鬼灯の頭は再起動した。
女日照りの獄卒も少なからず居るだろうに、いきなり女性のパンツを見せられては目の毒だ。


鬼灯は鬼女に近づきトントンと、肩を軽く叩きその歩行を止めた。



パンツ丸出しで歩く奴なんて、どんな阿呆面を拝めるのだろうと思っていたら
その顔は思ったより可愛い顔をしていた。
しかし阿呆面に変わりはなく、まるで阿呆ですと顔に書いてあるような間抜けな顔で口をポカンと開けている。

「ちょっと、あなた」

その阿呆面を早く直して身なりを整えなさいと続けようとした瞬間、その鬼女はギャアと叫んでもの凄い速さで走り去ってしまった


パンツ丸出しで。


空いた口が塞がらないとはこういう事なのだろう。
追いかける気にもなれず、鬼灯は今しがた見たものは忘れてしまおうと決めて食堂へ向かう道へ歩き出したのであった。



END
後日…

(茄子さん、茄子さん)
(なんですかー鬼灯様)
(おにのパンツはしましまパンツです)
(うーん、俺にはちょっとよく分かんないです)



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